神威の矢(下) - 土方歳三 蝦夷討伐奇譚 (中公文庫 と 26-25)
神威の矢(下) - 土方歳三 蝦夷討伐奇譚 (中公文庫 と 26-25) / 感想・レビュー
えみ
さすがにこの局面で伝奇小説はないだろう…と思いつつ読み進めていたが、ありだと思うには十分すぎるくらい面白かった。箱館戦争の最中のもう一つの戦い。狼男やゾンビが襲いかかってくるとは誰が想像できただろう。敵が人間じゃないなんて、これは闘う領域が違いすぎる。…が、陰陽師が殺生石に閉じ込めた九尾の狐の復活を試みる、西洋の怪人たちに臆することなく立ち向う土方歳三と陰陽師、そして土方に命を助けられたアイヌの戦士…彼らは力を合わせて戦いに挑む!動乱の時代が、奇異さえ歴史に組み込んでしまうのか。箱館戦争奇譚、壮大に完結。
2023/08/15
しーふぉ
やっぱり本編の土方歳三とは別物です。アイヌの虐待について書きたいという思いが伝わってきた。
2016/01/19
よっしー
予想に反して土方さんの出番が沢山!! 鉄ちゃんも小姓として頑張ってる姿がありました。京では鬼副長と言われてた土方さんも蝦夷では仏の副長になったのも間違いではなかった?(笑 思わぬところで点が繋がって大きな物語となったようで…次にどうなるのかと展開を楽しみながら読めました。これで完結となるのかな。
2015/03/20
ほっしー
いよいよ本性を現した西洋の怪人サン・ジェルマン。彼の野望を阻止するべく、土方歳三、アイヌの青年タリコナ、シサイ・カムイたちが力を合わせて立ち上がる。歴史とSFが融合した感じで、どんどん物語に引き込まれていった。そして今回も土方歳三の活躍がカッコいいけれども、それ以外の脇役の働きも見逃せない。著者は土方歳三のブレない生き方が好きとのこと。タリコナと蕎麦屋にいったとき、アイヌに食わせるものはないと言った主人に対して言葉とオーラで黙らせた土方はカッコ良かったなあ。今作も土方に惚れる。
2016/03/27
TheWho
下巻に入りサンジェルマン伯爵の思惑が、前読「函館売ります」のロシアの蝦夷地植民地画策陰謀とがシンクロしていく。そしてカリオストロ伯爵の狼人間である事の発覚やゾンビの出現、九尾の狐の復活等などと土方歳三や阿部泰成、アイヌのタリコナ等などとの壮絶な戦いへと展開していく。正に高橋克彦の怪奇歴史物語の様な内容で少々面食らったが、同じく高橋克彦の東北愛と、あとがきにあった著者の北海道民のアイヌへの贖罪意識が絡み本作の様な物語になった様にも思えた。著者の新たな一面を感じられた面白い作品です。
2017/04/08
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