花桃実桃 (中公文庫 な 64-1)
花桃実桃 (中公文庫 な 64-1) / 感想・レビュー
ミカママ
急逝した父親から遺言で、オンボロアパートを譲り受けたアラフォーで未婚の茜。行き詰まっていた仕事を辞め、管理人として住み始めることにしたのだが、、、。後はもう、お定まりのユニークな店子とのやりとり。ラスト、結局何も変わってないんだけど、これまでも、これからだってきっといろいろ大丈夫、という気持ちにさせてくれる。そしてもれなく、百人一首を再び学びたくなる。
2019/11/04
小梅
春に向かって暖かくなってる途中のこの時期に読んだのは正解だったみたいです。 個性的な住人ばかりの花桃館。 テンポ良く、映像が浮かんでくるような作品です。面白かったです。
2015/03/02
じいじ
重い小説を読み続けて、ユーモアのある本を読みたいと手にした。花村茜、43歳独身が、父の遺産のアパート「花桃館」を相続することに…。一癖も二癖もある(ユニークだけど決して悪人ではない)店子たち、家賃の取立ても尋常にはいきません。そんな住人たちとの日常を綴った茜の奮闘記。疲れた頭をほのかな笑いで癒してくれる格好の本でした。こんな優しい大家さんのアパートなら試しに住んでみたいねぇ。心に残った名言をひとつ「悪妻は百年の不作」。
2017/06/27
dr2006
ずっと読みたかった一冊。父が遺した花桃館という(めぞん一刻のイメージ(笑))アパートに管理人として住み込むことになった茜が主人公の物語。引用~インターチェンジのない一般道と高速道のように全く交わらない青春~男の口にする「忙しい」ほど不愉快且つ厄介なものはない~とか・・。父から引き継いだ個性的な住人たちとのなれそめを読み知るにつれ、自分は中島さんの個性的な人物造形と比喩の効いた心の声や心理描写が凄く好きなのだと思った。華々しいストーリーではないが、茜の気持ちに添いずっと読んでいたくなる感じ。とても良かった。
2017/05/23
相田うえお
★★★☆☆21015【花桃実桃 (中島 京子さん)】主人公は43歳シングルの茜。茜は急逝した父親の遺した古いアパートを相続し、会社を辞めて大家の仕事を引き継いだ。アパートは、急な上り坂の中ほどに脇に入る階段があって、その階段を上った狭い袋小路路地のどん詰まりに建っている。つまり自動車が入れない立地。良くいえば交通事故にあわない、悪くいえば資産価値なし。建物の右脇は寺と墓地で窓を開ければ墓が見える。住人はちょっと変わった人ばかり。本作品は、そのアパートを舞台に、そんな住人と大家 茜とのほのぼのストーリー。
2021/02/19
感想・レビューをもっと見る