シュラ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4 (中公文庫)
シュラ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4 (中公文庫) / 感想・レビュー
absinthe
最終巻。absintheには一番面白かった。作者はおそらく4巻から考えて1~3は遡って考えたのだろう。他のレビュを読むと4巻は評価が低いようだ。それもわかる。まとまりに欠き、理屈を述べたい作者の気持ちが前面に出すぎてしまった。主人公の憎悪、負の感情をもっと前半で掘り下げることは可能だったはずで、後半はもっと感動できたかもしれない。それでも、荒削りだがこれこそ作者の気持ちを代弁するものだろう。人物も増えすぎて、伏線の開示順にも改善の余地がありそうだが、印象に残る作品になった。
2017/07/02
KAZOO
最後の巻で、著者はまとめるのに大変だったのではないでしょうか?私は完全に警察小説としてよりも近未来小説として「二十世紀少年」とイメージ的にコラボして読んだので楽しめました。田中という武器商人を殺さないのも正解ですが、警察の若い人が犠牲になっていったのは残念でした。意外な人物が警察内部でのスパイということでも明かされました。
2017/11/10
いーたん
シリーズ完結。前巻までは一気読みの為、完結編を読むまで間が空きました。 廃校の屋上での田中氏と攻防までは興奮と緊張感があり読み応えがありました。田中氏逮捕後の展開を期待してましたが、正直尻切れトンボでした。忠輔が田中氏を最終的にどのように改心させるのか、日本が世界とどのように戦うのか、楽しみにしてましたが、中途半端になってしまい、ガッカリでした。実は続くのではないかと思ったくらいです。 ただ、はっきり言って全体としては面白かった。忠輔の考えに全面的に賛同は出来ないけど感化されてもいいなと思いました。
2014/08/28
那由多
美結が本当の復讐を果たし、ホッとした。主役である意味が分からなかったが、ほっとけない気持ちにさせてしまう主人公スキルを所持してたからなのか。誰もが美結を好きになってしまうんだね。後半は哲学対話ばかりだし、田中に決定的な鉄槌を打込めてないからスッキリとはいかないが、示唆に富んだ言葉が多くあり人類の精神的進化を望みたい。
2019/03/16
ヨーコ・オクダ
シリーズ完結篇。今度こそ、わざわざサブタイトルになっている美結が中心の構成かと思ったら、またまたそれほどでもなく…。8年前に自分の家族を惨殺した犯人を知らされ、警察手帳を返上して復讐に走るあたりは彼女がメインやけどねー。基本は武器商人の田中を殺さずに排除、無力化するために、そして、美結を殺人者にさせないために、警察と大学講師とサイバーテロリストが協力し合って、この大きな事案を巧く治める、と。後半は、今まで広げた風呂敷の分、秘密の種明かしのオンパレードみたいな感じ。これで終わりやからしゃあないわな。
2016/11/12
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