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告解者 (中公文庫 た 81-4)

告解者 (中公文庫 た 81-4)

告解者 (中公文庫 た 81-4)

作家
大門剛明
出版社
中央公論新社
発売日
2014-08-23
ISBN
9784122059993
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告解者 (中公文庫 た 81-4) / 感想・レビュー

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しんたろー

大門さん9冊目。仮釈放された殺人犯、彼を担当する施設の補導員・さくら、殺人事件を追う刑事、三人を中心に進む話は「更生」をテーマにしたミステリ…正直言って、真相は肩透かし感があってミステリとしては標準レベルだが、出所者の現実や施設の現状を知れて興味深いし、亡父の故郷で何十回も訪れた金沢が舞台なので感慨深い。彼らの心情が誠実だから感情移入しまくって「幸せになって欲しい」と願いながら読んだ。恋愛要素が強くなる終盤は好みが分かれるだろうが、さくらを応援しながらハラハラ…男女の哀切を唄った演歌みたいな作品だと思う。

2019/07/25

🐾Yoko Omoto🐾

罪を犯した人の更生・贖罪をテーマにした作品はいくつか読んでいるが、何作読んでも正解はわからない。第三者としての一般論的な意見を、実際に被害者・加害者に関わる立ち位置に置かれた時に果たして持っていられるだろうか…と思うからだ。殺人を肯定は出来ない。ただ、その事件の裏にどこか理解できるような悲しみや苦悩が見えた時、単なる殺人犯というくくりで裁いてしまえるのか。更生保護施設の女性職員視点から犯罪者の更生について考えさせられる作品。ただ後半はラブストーリー色が強くなってしまいミステリ部分が霞んでしまったのが残念。

2014/10/29

まこみん

更正保護施設で働く29歳のさくら。其処へ強盗殺人で二人殺して無期懲役になり、仮出所した久保島が入所する。さくらは他の人とは違う彼の誠実さに惹かれていく。そんな折りに街で殺人事件が起こり、施設の寮生が疑われ、捜査する刑事、梶は久保島に的を絞っていく。梶の妹も辛い過去から自殺を図り、現在も寝たきりになっていて、彼はその過去とこの事件とを自らの思いを馳せる。人の罪、そして更正とは。さくらは言う。「更正ってものは決して完成なんてしないものなんです。」教会の告解室のさくらと久保島の場面がとても印象的。良かった。

2020/01/25

タイ子

刑務所を出所した者が次へのステップを踏むために入寮する施設。それが更生保護施設。そこで働く施設員のさくらが強盗殺人で刑期を勤めた男と出会い、男の誠実さに更生の姿を見て心を惹かれていく。新たに起こる殺人事件の容疑者に浮かび上がる時、更生の意味が大きくのしかかるのだが…。捜査をする刑事も苦悩を抱えており、それを挟みながら元犯罪者の更生と償いがラストまで胸迫る勢い。「更生とは永遠に未完成。更生した、しないの白か黒で見るものではなく、地味な行為の積み重ねの中にある」思いがけない真相を読ませる辺りさすが大門さん。

2019/04/17

takaC

この本が意外と人気薄なのはたぶんきっと皆主人公のさくらが嫌いだからじゃないかな。自分も彼女は苦手。新幹線で金沢まで行けるようになったから今度現場検証にでも行ってみようかな。

2015/03/13

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