象が踏んでも - 回送電車IV (中公文庫 ほ 16-7)
象が踏んでも - 回送電車IV (中公文庫 ほ 16-7) / 感想・レビュー
KAZOO
「回送電車」という副題のエッセイ集の第4作目です。さいしょに本の表題となっているながい散文詩があり、印象に残りました。これを読むとやはり文学者だなあというイメージになります。どちらかというと小説エッセイ半々くらい読んでいるので文学作品となると印象が薄めになってしまいます。このエッセイ集は日ごろの生活などについてのものが多く、自分にとってもうなずけるものがあったりして楽しんで読んでいます。
2014/12/08
ぽち
様々な媒体に記された小文をまとめたシリーズ第四弾。Ⅰ~Ⅲに比べてごく短い文章のものが多く全体に軽やかな印象を受ける、のだけど親本が刊行されたのが2011年5月。冒頭に置かれた初めて?の詩作「象が踏んでも」あとがきにかえてと付されている「象が踏んでも壊れない世界だけは考えないこと」が本書に重心を加える。いつもながら、飛び石のような連想に驚き、博識に憧れ、たくさんの書物に思いを馳せる、写真と、書くことについて言及している「本質を汲み出す泉」が印象的だけど、ほかにもよい編がいくつもいくつも。
2016/11/15
Roti
堀江敏幸のエッセイ、「回送電車」シリーズの第4弾。といってもこの作者のエッセイを読むのは初めて。小説自体も散文的な要素があるので、主題とするものの連続性がなく、単独で思考される短文を集めたもの、つまりそれがこの堀江ワールドの「エッセイ」である。「河岸忘日抄」「いつか王子駅で」「雪沼とその周辺」などの小説が書かれた背景や着想の切っ掛けなどが書かれており、興味深かった。印象に残った文章。「言葉は死んだ瞬間に生きはじめる。旅は終わった瞬間に新しい旅を可能にする。終わりのないこと。それが、旅の本質でもあるのだ。」
2017/09/24
rigmarole
印象度B。著者は新しい感性、新しいものの捉え方を開拓していると言えそうです。それが成功しているのか否か、まして、それを読者にうまく伝え切っているか、私にはわかりません。彼ほどの経験と知識を持たない私には、正直、ピンと来ずに理解に苦労する話も多いです。しかし彼は、突飛な余り読者に受け入れられなくならないように一般性を確保しつつ、(それと矛盾するかの如き)独自性をもった提案を試みているように思われます。残念ながら印象の薄い話が多かったものの、「疲れのかたち」は馴染み易く、展開・オチがあり、ほっこりしました。
2016/02/29
うた
日記がじわじわと面白い。生徒に年収1億円くらいですか、ときかれた時の堀江さんと顔をみてみたい気もする。
2014/11/29
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