つづりかた巴里 (中公文庫 た 46-8)
つづりかた巴里 (中公文庫 た 46-8) / 感想・レビュー
どんぐり
松竹の『母』という映画でデビューしたのが5歳。以降働いて、働いて、デコちゃんという愛称で人気女優へと上り詰めた高峰秀子。それをすべて捨てる決心をしてスーツケース2つを持ってパリで半年間暮らした「巴里ひとりある記」、そして3年後に脚本家で監督の松山善三との結婚生活を記したエッセイである。50年、400本余の映画に出演している高峰が、「私は、はじめから映画は苦手なんです」と言い、昔々の若い「高峰秀子」を見て「バケモノ」であると書いているのが面白い。自分に正直な人である。
2020/10/06
あきこ
スター女優の、普通の人としての気持ちを綴ったもの。パリに半年も行けるなんて素敵だと思って読み始めたが、そのいきさつや追い詰められた気持ちを思うと辛くなった。子供のころから稼ぐことの辛さは想像を絶するものだろう。ましてや親の愛情のもと育った人には想像もつかないものだろう。しかしそんな境遇でも自分を見失わず、素敵な伴侶も見つけて過ごした旅の話は幸福感に満ちていてホッとする。なんだか面白いエッセイである。
2018/05/20
nadami30
品が良いのに大胆な面を持つ大女優・高峰秀子のエッセイ。 夫の松山善三との結婚生活、巴里ひとり滞在記、半生記が綴られている。 表現力が見事で読み応えがある。 そうか、この時代は30歳での結婚は高年齢か。 人生最大の収穫が夫、って言える人生はうらやましい。
2021/02/07
にやり2世
マスコミのために結婚式挙げるわけじゃないのに。ここらへんの話は読んでて悲しくなった。学校のこと、仕事のこと、特に映画についての熱い気持ちが正直すぎる表現で書かれててビシバシ伝わる。
2017/02/08
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