KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

黒い雨にうたれて (中公文庫 コミック版 な 28)

黒い雨にうたれて (中公文庫 コミック版 な 28)

黒い雨にうたれて (中公文庫 コミック版 な 28)

作家
中沢啓治
出版社
中央公論新社
発売日
2015-07-23
ISBN
9784122061378
amazonで購入する

黒い雨にうたれて (中公文庫 コミック版 な 28) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さらば火野正平・寺

中沢啓治の原爆漫画短篇集が文庫になっていた。『はだしのゲン』以前に描かれたもので、表題作はハードボイルドな内容でもある。被爆者の苦悩も怒りも差別も貧困もここにある。何度も読んだ短篇ばかりだが、昭和の影の様な作品群は是非とも皆様にも一読をお勧めしたい。『はだしのゲン』を珍妙なものと誤解している人も読んでほしい。この文庫がお勧めなのは、未完の大作『はだしのゲン』第2部の草稿が巻末に掲載されている事。昭和30年代、上京したゲンや隆太達が東京で何をしようとしたのか?。想像してみるとなお面白い。

2015/08/18

akihiko810/アカウント移行中

『はだしのゲン』作者の、「ゲン」以前の短編集。原爆後遺症をテーマにした漫画。7/10点   原爆被爆の恐ろしさ、それに対する差別、憎悪などが描かれている。『はだしのゲン』ほどのトラウマはさすがにないが、原爆被害者しか表せない「怒り」が詰まっている。巻末には「ゲン」幻の第2部の草稿も載っている

2021/11/29

ぺんぎん

原爆被害の描写の恐ろしさに胸が痛くなった。しかしそれ以上に恐ろしかったのは無知からくる被爆者への差別や無関心だった。「無知な日本人ほどこわい奴はないんだ おなじむじなの目くそが鼻くそを笑って喜んでいやがるんだ」

2021/03/28

臓物ちゃん

『はだしのゲン』作者の強い怒りが滲み出る初期短編集。やはり中沢啓治先生は偉いと感じたのは、日本の戦争犯罪や米ソの核開発はもちろんのこと中国の核開発に対してもちゃんと怒ってるところ。当時は「日本は中国に酷いことしたんだから、中国の持ってる核は『良い』核だよね〜。毛沢東は偉いし」みたいな言論がマジで普通にあったから、日米の帝国主義は最悪だけど誰が持とうとピカは絶対悪!と本書でハッキリ言い切ってくれたのは嬉しい。『はだしのゲン』第二部の構想も収録されていてゲンのその後にも想いが膨らむ一冊。

2023/03/01

寺内町亭小天狗

平成27(2015)年で、戦後70年となる。昭和20(1945)年8月6日に原子爆弾が投下されて、広島が焼け野原になった。本書は、『はだしのゲン』が世に出る前に描かれた物で、筆者・中沢啓治の『はだしのゲン』の原点となる作品です。用語:ピカドン、原爆症、ケロイド、ABBCC(原爆障害調査委員会)、原潜、ビキニ被災、ソンミ村大量虐殺、原爆二世。名言”おばさん・・・おれは いちばん大切なことを教えられたよ 戦争と原爆の黒い土を この日本に・・・世界中につくらせてはいけないことを”。政治家の倫理観が鍵となる。

2015/09/02

感想・レビューをもっと見る