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怒り(上) (中公文庫 よ 43-2)

怒り(上) (中公文庫 よ 43-2)

怒り(上) (中公文庫 よ 43-2)

作家
吉田修一
出版社
中央公論新社
発売日
2016-01-21
ISBN
9784122062139
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怒り(上) (中公文庫 よ 43-2) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

最初に事件が提示されるが、物語はその1年後から始まる。本書はミステリー仕立てをとっているが、特異なのは3つの異なる地で異なる人物たちが、同じ時間軸で物語が進行してゆくことである。しかも、そのそれぞれの地には限りなく不審な人物が存在する。しいて、これらを繋ぐ物があるとすれば犯人を追う警察だ。今後、どのような形でこれらの物語群を収束、あるいは収斂させてゆくのだろうか。こうした手法の故に、今のところはやや緊張感に乏しいが、下巻での展開に期待したい。ミステリー作家としての吉田修一のお手並み拝見といったところか。

2018/11/30

Yunemo

先の展開が見得ない趣を味わってます。表題の「怒り」の雰囲気がまだ表れてません。上巻で基本ベースを整えた、ということなんでしょうか。似たような雰囲気に表現される3人の身元不明者の存在が、どう殺人事件と関連を持たせてくれるんでしょ。何といえばいいのか、ゾクゾク感、ワクワク感、ちょっと違うかもしれませんが、そんな感覚で上巻読了。急ぎ過ぎてはもったいない、こんな感じ。作中で、若い警官が言う、「怒っている人たちが愚かに見えるというか、こうはなりたくないというか、すべてを諦めてしまった人間」、何だか的を得てるような!

2016/02/21

ミカママ

ここまでは期待通り、いやそれ以上の読み応え。登場人物が多くて、場面もクルクル変わっちゃうんだけど、一人一人のキャラがビンビンに立ってるので無問題。鳥肌立てたり、ウルウルしながら読んでます。一気に下巻へo(`ω´ )o

2016/05/13

ehirano1

複数の登場人物による複数のシーンが入れ代わり立ち代わりで容赦なくパラレルで進みます。しかし、不思議と読んでいてちっとも苦にならないし、シーンが変わっても「あれっ、この人誰だっけ?」となぜかならない・・・この感触は・・・「悪人」の時と同じ。山神一也が誰なのかも気になりますが、各々達が今後どうなっていくのかも非常に気になります。直ぐに下巻へ。

2017/07/09

yoshida

都内で若い夫婦が惨殺され、現場には「怒」の血文字が残されていた。犯人は逃走し事件は発生から1年を越す。房総に流れ着いた男。都内のゲイ。沖縄のバックパッカー。3人の中に犯人がいるのだろう。房総の父娘、都内の優馬と家族、沖縄の泉。それぞれの生活にじっとりとした質感と不穏さを感じる。多くの伏線があり下巻での回収に期待が高まる。愛子や泉の哀しさは遣りきれない。特に泉への暴力は読んでいて憤る。整形し国内を逃げる犯人に実際にあった某事件を連想させられた。「怒」の真の意味は何か。物語はまだ序章。下巻に期待が高まる。

2016/04/10

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