名作うしろ読み (中公文庫 さ 73-1)
名作うしろ読み (中公文庫 さ 73-1) / 感想・レビュー
takaC
着眼点がおもしろい。プレミアムも読んでみたい。この本の最後の一文はどんなのだろうと思っていたら、なるほどそう来たか。
2016/12/24
がらくたどん
著者の「少女小説」考を読んだので。新聞連載が毎回楽しみだった書評コラムをまとめた本。名作というか「有名作」の最後の1文を肴に一杯やろう~じゃなくて、最後の1文から作品を振りかえってその肝を解説する趣向。「はじめに」の「お尻を出しても問題ない作品が名作」「本の話は読んだもの同士でした方が絶対面白い」旨にしきりに肯き、本を肴に一杯やりた~じゃなくて。著者略歴・ちょっとした蘊蓄も欄外に付記され、既読作品は確認したくなり未読作品は読みたくなる。少女小説考からはアンとジュディとピッピの「お尻」が採用されている。
2022/10/28
しいたけ
「形はどうあれ、末尾にそれなりの思いが込められているのは疑いの余地がない」という。その渾身のラスト一文から名作を評論している。『途中まではロリコン小説、最後はボーイズラブ小説⁈大丈夫かな、この一高生』とは『伊豆の踊子』。斎藤さんの読み解き方が滅法面白かった。そして必然的にのしかかる、この本自体のラスト。あとがきでのラストと、文庫版のあとがきでのラストのニ文。言い訳したり、願ったり?の、やっぱり楽しい「お尻」だった。続編も読みたい。
2016/03/05
佐島楓
名作の結びの文だけを取り出し読んでみよう、という趣向は面白いものの、失礼ながら滑っている感がある文章もあった。ネタバレが激しいのも気がかり。
2016/04/16
Shun
このシリーズの2作目を先に読みましたが、こちら1作目はかなりメジャーな名作古典を集めた書評集です。選び方も現在文庫か新書で入手可能なものという基準なので、読みたい本は容易に手を出せそうです。名作の中で広く知れ渡っている一文があるとすれば、往々にして書き出しの一文であることが多い。しかし時代を超えて読まれている名作には、末尾の一文にもその魅力や懐の深さが窺えます。また本書の書評にて名作に限らずあらゆる小説の読み方やひいては作品の捉え方など、深読みするための読む技術も教わることができ大変満足のゆく内容でした。
2020/01/16
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