北の街物語 (中公文庫)
北の街物語 (中公文庫) / 感想・レビュー
HANA
浅見光彦シリーズ。今回の舞台は浅見光彦のホームグラウンドである東京都北区。ルポライターの看板は何処へやら、いつしか探偵として名を挙げた浅見の下へ盗まれた彫刻を探す依頼が来るのだが…。内容はまあいつもの著者らしい作品と言えば作品。鬼面人を嚇すトリックはなく、ヒロインの周りの人間関係が徐々に明らかになっていき、淡々と事件は進行する。自分が歳を取ったせいか、浅見光彦の大上段からの正論というか捜査に対する姿勢というか、そういうのが身勝手に思えてきたなあ。舞台のせいか浅見の家族も多数登場し、ファンブック的な側面も。
2023/12/19
葵
浅見光彦シリーズ後期の作品。いつも全国各地を飛び回る光彦だが「余所の土地ばかり書いて光彦の住む辺りの話がない」との読者の指摘から執筆されたものだそうで、北区のお店や名所や歴史がちりばめられていて、地元の方は嬉しいのではと思う。いつも浅見光彦作品を読むと、その土地に興味がわいてくる。ミステリーとしては、殺人事件を中心にした(それもでてくるが)ものではなく、日常の謎を解く系のお話。光彦さんの地元、ご近所での様子がみられるたのしさがありました。個人的には私のテリトリーの競輪がでてきて嬉しかった(笑)
2023/12/28
蕭白
まだ読んでいない浅見光彦シリーズがあったことに気づき、ゆっくり読んでいます。
2020/12/08
ピコ
内田康夫さんの小説は100冊以上読んでて、そのうち80冊くらいは自宅の本棚にあります。1人の作家さんの作品をこんなに買い集めた事はないし、これからも無いだろうと思う。浅見さん、竹村さん、岡部さん、そして軽井沢のセンセ。いつ、どの作品を読んでも変わらずそこでみんなが生きていて、毎回懐かしい友人に会ったような気持ちになれる。動機も犯人も解ってて、それでも何回も読みたくなる。魅力的な登場人物との素敵な出会いをくれた、内田先生に感謝。ありがとうございました。
2018/04/30
鉄人28号
☆☆☆ 浅見光彦の住む街(即ち著者の生まれ故郷)を舞台にした旅情ミステリー。殺人はあるものの生々しさがない。こういうテーストの作品は好きである。著者は、地名を冠したミステリーを多く書いているが、浅見の住む地域を舞台にしたものを書いて欲しいとの読者の要望に応えて書いたとのこと。「あとがき」によると、浅見光彦が始めて登場した作品は「後鳥羽伝説殺人事件」であったとのこと。私が初めて読んだ内田作品がそれであった。あれからもう30年の月日が流れるが、浅見はまだ33歳。永遠の青年。兄陽一郎は永遠の刑事局長である。
2016/10/06
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