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切支丹の里 (中公文庫 え 10-8)

切支丹の里 (中公文庫 え 10-8)

切支丹の里 (中公文庫 え 10-8)

作家
遠藤周作
出版社
中央公論新社
発売日
2016-10-21
ISBN
9784122063075
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切支丹の里 (中公文庫 え 10-8) / 感想・レビュー

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Die-Go

名著『沈黙』を読み解く上でこの一冊は大きな助けになるだろう。かくれキリシタンの迷いや痛みを、これでもかとたたみかけてくる。『沈黙』で言いたかったことって実はこの本読んでれば分かって来ちゃうかも知れないな。人間を観察し、考察し、深くえぐるように掘り返すその作業は並大抵のことではできないだろう。読んで良かった。★★★★☆

2017/02/27

優希

『沈黙』を描くきっかけとなったエピソードが述べられています。隠れキリシタンとならなければならなかったため。本来のキリスト教とは離れた教えになってしまったのは興味を引きました。隠れる必要がなくなっても自分たちの信仰を頑なにしたのが印象的です。日本的キリスト教の歴史を見たようでした。

2021/05/10

ひなきち

長崎にまつわる、地理・歴史・自伝的要素が入った、遠藤周作氏の思想作品集。転んだ者(踏み絵を踏んで棄教した者)の、精神的葛藤を追う取材は、読んでいて胸が苦しくなる。だが、弱者は弱者だと切り捨てないところに、著者の慈愛を強く感じ、心うたれた。隠れ切支丹の「母の宗教」説に納得。悲劇の地となってしまった長崎を、違った観点で知ることができた。いつかこちらの本を片手に、再訪できたら…と思っている。

2016/12/24

はじめさん

不勉強で申し訳ないのですが、遠藤周作作品は読んだことがなく「沈黙」は映画を鑑賞しました。が、この一冊は小説ではなく、遠藤氏が長崎五島列島でかつての殉教者の軌跡をたどり、かつ現代において生き残っているカクレキリシタン集落への取材。本来の流れから変化した教義を、熱心な信徒であった母と、その影響で洗練を受けた自分のなかのキリスト教の違いと照らしたり、カクレのマリア観音への崇拝…裁く父性たるデウスではなく優しく包み込む母性たるマリア観音…ふむ。/ 地元民や正当なカトリックにどこか蔑まれ、若者は島を離れてゆく…。

2020/02/21

ラテちゃん

読み友さんから拝借。沈黙を書く際長崎に何度も足を運んだ遠藤さんの紀行文プラスアルファ。作家さんとはこんな風な視点で旅してるのかと興味深かった。

2017/09/12

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