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楽園 (中公文庫 は 71-1)

楽園 (中公文庫 は 71-1)

楽園 (中公文庫 は 71-1)

作家
花房観音
出版社
中央公論新社
発売日
2017-01-19
ISBN
9784122063426
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楽園 (中公文庫 は 71-1) / 感想・レビュー

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じいじ

新作が待ち遠しい花房観音さんの小説は、すべて読んでしまった。読了33作から『楽園』を今度は文庫版で読み返した。物語は京都鴨川の畔、当時男たちに親しまれた遊郭があった跡地にひっそりと建つ「楽園ハイツ」がその舞台。そこに住む女住人たちの心に潜む嫉妬心を描いた物語。一見、不幸な女たちに見えなくもないが、著者は女の逞しさ強かさを見事に描き出しています。とりわけ、女同士の腹の底の探り合いで、それぞれが痛快と不快感を背負って真っ向から対峙するシーンが印象的だった。もう三度目を読む気力・体力はないと思います。(笑)

2021/06/25

やも

京都にあった楽園と呼ばれた歓楽街。その跡地に建ったアパート・楽園ハイツの住人のオムニバス。主婦や未亡人に独身女性、女子高生と様々な年齢の女の性が赤裸々に書かれてる。生と性を切り離せない彼女たちの苦しみが、静かに狂気じみていく様子に読む手が止まらなくなった。アパートの持ち主の顔に傷のあるおばあさんや、管理人のイケメンも、こりゃなんかあるぞと怪しい空気むんむん。ラストは私にしては珍しく想定内の終わり方だった。未亡人の手紙には、女の賞味期限への執着を感じてゾクッとした。★4

2022/08/29

つきかげ🌙

面白かった。かつて(ごく最近まで)京都の一角にあった「五條楽園」と呼ばれる淫靡な地帯にあるアパートを舞台にした、女たちのオムニバス小説。もし興味があれば地名をインターネットで検索してみてください。独特の場所です。女性目線で「性」についていろいろ書かれていて興味深かった。やけにリアルで、男である自分にも見につまされるものがあった。本作に出てくる男性は3人。物語の本筋に関わるのはその中の1人だけで、やはり女性達が主人公なのだ。

2017/09/29

reading

女性というのは潜在的に、この小説の登場人物たちのように、その思いを秘めているものなのだろうか。読み進めていくうちに、ヤンソギル氏の小説を彷彿とさせる部分を感じた。いろいろと考えさせられる小説だった。

2017/11/26

こすも

an・anの官能小説特集で知った一冊。出だしは濃厚な官能シーンで始まりながら、物語が進む中では官能シーンがそれほど多くなく、冒頭の場面も物語の最後で回収されます。女性の老いへの恐怖が物語の推進力となっていて、老いを忘れるための、また、老いに抗う手段としてのセックスが描かれます。性に人生を縛られた男女の物悲しさが良き。花房観音先生は男性を甘やかすタイプではないかとふと思いました(笑)

2017/06/10

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