国のない男 (中公文庫 ウ 8-1)
国のない男 (中公文庫 ウ 8-1) / 感想・レビュー
ケイ
ヴォネガット晩年のエッセイ集。訳者金原氏の後書きによると、アメリカの青春映画で登場人物がベンチで読んでる本などヴォネガットの方が「ライ麦畑」より多いらしい。日本の若い人にも、愛が根底にある彼のアメリカンジョークをもっと読んで欲しい。私にとっての心の書がまた1つ増えた。「我らの大統領がクリスチャンだって?ヒトラーだってそうだ」「皆さんにもお願いしておこう。幸せな時は幸せなんだと気づいて欲しい。さけぶなり呟くなり考えるなりして欲しい。これが幸せでなくて、いったい何が幸せだっていうんだ、と」
2020/05/14
マエダ
カートヴォネガットの遺作である本書”じつはだれも認めようとしないが、我々は全員、化石燃料中毒なのだ。そして現在、ドラッグを絶たれる寸前の中毒患者のように、われわれの指導者たちは暴力的犯罪を犯している。それはわれわれが頼っている、なけなしのドラッグを手に入れるためなのだ。”とても心に残るものがあった。
2017/04/09
ペグ
カートおじさん(あえてそう呼ばせてもらおう)の毒舌とユーモアに溢れたエッセイは、わたしにとって、心からの喝采と祈りに満ちた一冊でした。今生きていらしたら、トランプに対して何と言ったでしょう〜アメリカという国に対しての失望とちょっとの希望を乗せて彼の魂はシニカルな笑いと共に国中を旅しているに違いありません。「国のない男」〜書名も素晴らしい!
2019/09/03
コットン
ケイさんのオススメ本。シニカルなユーモアを愛する著者の2007年(本国アメリカでは2005年)発売の作品。次のように、心を鷲掴みにされたり今もある、指導者の理不尽さを感じたりと⇒「真実と言うのは、われわれは人生についてはほとんど何も知らないということであり、何がいい知らせで何が悪い知らせかもまったくわかっていない。」「われわれの指導者たちは、何百万人もの人々に対してきわめて非人間的な扱いをしてきた。それも、宗教や人種の違いを理由にして。」
2020/07/11
ちゅんさん
すばらしかった。強烈なブラックジョーク、皮肉、でもその裏にあるのは優しさや愛情だと感じた。いい言葉がすごくたくさんある。あり過ぎると言ってもいい。“幸せなときには、幸せなんだなと気づいてほしい”
2020/05/07
感想・レビューをもっと見る