KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

悪と往生 - 親鸞を裏切る『歎異抄』 (中公文庫 や 56-4)

悪と往生 - 親鸞を裏切る『歎異抄』 (中公文庫 や 56-4)

悪と往生 - 親鸞を裏切る『歎異抄』 (中公文庫 や 56-4)

作家
山折哲雄
出版社
中央公論新社
発売日
2017-03-22
ISBN
9784122063839
amazonで購入する

悪と往生 - 親鸞を裏切る『歎異抄』 (中公文庫 や 56-4) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しんすけ

教育が知識の伝授でないことを、またもや思い知らされる読書となった。それは師と謂われる人だけでなく、弟子にも及ぶ問題であることだった。ある意味では、理解不可能な一面を持ったものなのかもしれない。なぜなら、唯円を親鸞の意を伝導するものとしての実力を疑っているような文章が散見されるからである。 弟子が師の意志を全的に把握しうるは不可能である。 本願寺八世蓮如が『歎異抄』を禁書にしたのは、誤解されやすい書であると察知したからだろう。 浄土真宗では「他力本願」を云う。これは「他に配慮する」であって他人任せではない。

2022/07/25

シマ

生殺与奪の倫理観、人間は自身・群れの食欲を満たす以外に生物を殺害している。生殺与奪を生活の糧にしている人たちがいて、また私たちも「食べる」ことを通じてそれに加担している。食べる前に「殺す」という独自の過程が生じているともいえよう。殺害が食べる行為から切り離されてしまい、「悪」という認識が生じたのだろう。しかし善悪の基準は仏のみに許されており、煩悩にまみれた人間には、すべてが無常なのだ。だから、ただ往生を願い念仏を申すべし。そして、浄土に生まれ変わった確信を得たという往相から以降の宗教的生活が還相を指す。

2023/03/15

感想・レビューをもっと見る