マレーの感傷 - 金子光晴初期紀行拾遺 (中公文庫 か 18-14)
マレーの感傷 - 金子光晴初期紀行拾遺 (中公文庫 か 18-14) / 感想・レビュー
渡邊利道
マレー蘭印紀行の素描のような紀行文集。中国、ヨーロッパ、東南アジアの三部構成で、やはりデガダンスとオリエンタリズムに充ちた東洋ものの描写が何と言っても素晴らしいが(中国の漢詩文を蓄えた文化の厚みと豪奢に対するコメントにハッとさせられる)、パリ、フランドル、ブリュセルの荒んだ生活を背景に捉えたエッセイにも独特の魅力がある。全集でも借りてきてもうちょっと読もうかなと思った。
2017/11/27
バジルの葉っぱ
中国、北ヨーロッパ、東南アジアの旅行記。風景の描写を楽しんだ。本能的なものを生々しく刺激されるところもあった。自分が行ったことのある街に関しては、何十年も時代が違うのに意外に印象が変わらないことに驚いたところも。文中、唐突に三千代の言葉がでてきたりして、光晴と三千代がそのときその場で一緒に行動していたのかいなかったのか、三千代との会話を回想していたのか、よくわからなかった箇所があった。
2017/10/08
hiratax
金子光晴のアジア・海外放浪ネタ補遺というべきもの。5年ぶりに訪れたマレーシアのバドゥパハトで読み終える。1時間もあれば回れてしまうので、日本人学校跡地を探す。旧市街らしき場所はあるが、そこからまったく目当てがない。クアラルンプールの国立図書館へ行くも、昔の地図はなさそうだった。同地の日本人学校の資料を日本の側で調べて同定できてないだろうか。
2017/10/23
Teppei Sakano
100年近くも昔にアジア、ヨーロッパと漂白するその想いはどのようなものか。熱情と焦燥に駆られつつ空虚な眼差しで世界を描写する作者の心境を改めて様々考えた。
2021/12/11
go
あんまり頭に入ってこなかったな。しかし、旅をしたくなった。行こうと思えばどこにでも行けるという気持ちにもなった。
2019/10/14
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