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マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫 お 91-2)

マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫 お 91-2)

マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫 お 91-2)

作家
王城夕紀
出版社
中央公論新社
発売日
2018-03-23
ISBN
9784122065567
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マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫 お 91-2) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

『考えろ。人間ならば考えて答えに辿り着け。ネットは大半の人間を、与えられた答えを食べる阿呆にする』等示唆に富む。量子病なる距離も時空も越えて突然跳び去り続ける現象を発症した坂知稀(マレ・サカチ)奇妙な運命にも絶望せず、着く場所着く場所ですぐ馴染む。場面展開が激しく、著者が何を描きたいのか分からず進む。ネット社会にすがり一喜一憂する我らの世代への警鐘か?ウィットに富んだ会話や場面が私を飽きさせない。やがて到達する結末。稀が辿り着き出した決断に喝采を送ります。いかなる状況でも自分軸を失わない!これ大事‼️🙇

2019/11/14

はっせー

量子病という自分の意志とは関係なくワープしてしまう病気になってしまった主人公の坂知稀。その病気で世界中に行って様々な人と出逢う。この本の良いところはお互いに支え合っているところである。様々なところにワープしてしまうがそこでの人との関わりはとても深い。出逢いによってお互いの価値観や人生に大きな影響を与える。この本はまさに桜の様な雰囲気を出している!儚いながらも出逢いと別れを続け、彼女なりの答えを見つける。それこそ私たち読者への贈物。もう少しで桜の季節になる。そんな季節に是非読んでもらいたい作品になっている!

2021/02/17

へくとぱすかる

作品全体が現代詩でもあるようなSF。量子のように跳躍する体質、あるいは病気のもたらす哀しさを目一杯、短い章節を飛び飛びに散りばめて、文章の形態そのもので表現しようとしている。マレ・サカチの跳躍の背後で、世界を激動させる何者か、あるいは過度に進んだネットの意志が恐い。個人を伸ばすものと思われているネットによって、かえって蹂躙されていく人々。彼女の残した最後の言葉の意味をかみしめたい。

2018/04/08

相田うえお

★☆☆☆☆18085『シュレディンガーの猫』は有名だから「知らん」ってことはないですよね。不定期に毒ガスが発生する箱に猫を入れて蓋したら、中の猫の安否は蓋を開けるまで分からない。だから、それまでは生と死の重ね合わせ状態。んんー、屁理屈言ってんじゃねーよ!みたいなやつですよね。量子力学って、ちっ!ですね。んーで、これ、ぅう"〜『量子病』ですかぁ、あっちこっちに不定期に跳んでっちゃうって!「分からん!」青いものは同時に跳ぶけど、それ以外の色は一緒に跳ばないので跳んだ先で裸だって!!もう、ついて行けない〜!

2018/09/27

Tsuyoshi

献本で頂いた本。初読みの作家さん。世界のほとんどの人々が個人でネットで繋がることができる近未来の世界において、本人の意思と関係なくテレポートしてしまう「量子病」と呼ばれる病に侵された女性。世界の様々な場所にワープするというSF的な世界観ながらも、出会う人々の考えや言葉が実に詩的、哲学的な感じがして、改めて人々の出会いと別れ、人間と物語との切れない関係性など様々テーマにおいて考えさせてくれる作品でした。

2018/04/17

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