レイテ戦記(一) (中公文庫 お 2-13)
レイテ戦記(一) (中公文庫 お 2-13) / 感想・レビュー
ベイス
冒頭数章、細かい軍事用語が連なる文体に面食らうが、これに慣れさえすればあとは一気に読ませる。レイテ島で起こったことを、ファクトベースで淡々と綴りつつ、参謀の判断の是非を、日米双方、俯瞰的な見方も交えながら検証する。そこに通底するのは、最前線で戦った兵士ひとりひとりに寄り添おうとする、作者の一貫した姿勢だ。こういう構造だからこそなのだろう、時折差し込まれる、兵士たちの生の声が非常に際立っていて、胸に迫る。これは「戦争の記録」という体裁を纏った「小説」である、という大江健三郎の解説にうなづく。第二巻へ。
2023/05/28
nnpusnsn1945
今巻は第16師団、レイテ沖海戦と特攻を主題としている。地誌の説明やゲリラの事情にも言及がある。また、参考にした文献の信用出来る点、できない点についても説明がある。作戦のみならず兵士個人個人のエピソードについても語られている。所々に日米軍上層部に対する批判があるのが特徴と言える。読みやすくはないので、NHKの『レイテに沈んだ大東亜共栄圏』を読んでおくと内容をおさえやすい。
2022/10/20
おたま
8月には戦争に関する小説を読もうと決めていて、今年はこの『レイテ戦記』を読むことにした。読む前にも、この小説を読むことに躊躇した。どうもかなり軍事用語等について詳しい知識をもっていないと、難しいように思われたから。しかし、いつか読みたいとは思っていたので、思い切って読んでみた。読み始めて、やはりかなり手こずった。日本の軍隊とアメリカの軍隊の紹介があり、それが次第に戦闘状態に入っていくのだが、記述はどこまでも詳細だった。〇〇師団の〇〇大隊とか〇〇聯隊とかの部隊名、そしてその進行していく経路が詳しく描かれる。
2023/08/18
塩崎ツトム
ほとんど準備不足の中始まるアメリカ軍の上陸。連合艦隊はほぼ壊滅。一方でアメリカ軍の進軍も遅れ出し、季節は雨季に突入。神風作戦。バラバラに吹き飛ばされ、腐っていく肉体。未来を奪われた、声のないはずの死者の声が、積み上げられる数字とともに響く。これでもまだ1巻目。
2022/10/21
Book Lover Mr.Garakuta
【図書館】【速読】【既読】:雑に大雑把に読んだだけではよく理解できなかったが、激戦の果てに日本は敗戦する。何のために戦争しているのか?自分にはよく分からなかった。
2023/04/22
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