麻布襍記-附・自選荷風百句 (中公文庫 な 73-1)
麻布襍記-附・自選荷風百句 (中公文庫 な 73-1) / 感想・レビュー
優希
荷風が麻布に居を移してから5年間を過ごしました。ここで書かれた短編と随筆などがおさめられています。小説も随筆も麻布の町を思わせました。
2024/01/07
goodchoice
作者の随筆の部分はやや散漫で面白みに欠けるが、短編風の部分は大正末期の風俗や考え方か色濃く漂い、人情溢れる様子が現在との対比で非常に興味深い。巻末の須賀さんが偏奇館跡を訪ねる下りは、大変貌を遂げた六本木の風景に驚かされる。誰が今、泉ガーデンタワーになっていると想像がつくだろうか。時代の流れとはいえ、風情のなくなり方があまりに無情だ。
2018/09/26
荏苒 byn
ざっきと読むとのこと。戦前焼失前麻布(六本木)で書いたもの集成。短編は他本で既読もあって、飛ばし読み。「花火」で、大逆事件批判。後半の雑文(隠居のこごと等)には、彼の尊敬する森鴎外の著作に触れること多し。森というと、必死の出世競争人物という悪印象。須賀氏跡地訪問の解説。余かれこれ30年前、探し歩きし覚えあるが、分明成らず。今は、表示板がある由1丁目6-1(写真381頁)。
2018/09/26
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