禅とは何か-それは達磨から始まった (中公文庫 み 10-23)
禅とは何か-それは達磨から始まった (中公文庫 み 10-23) / 感想・レビュー
yone
臨済宗の寺で小僧として育ち出奔した経験を持つ作家水上勉氏の禅宗傑僧概略といったところか。中国からの禅の流れを大きく掴むには良い本だと思う。もちろん多分に「純禅」を求める著者の想いが溢れ出ている。禅の魅力はストイックに道を求めるひたむきさとある意味「パンキッシュ」と言える程に自由奔放な僧たちの言動にある事も再確認。
2020/04/20
でろり~ん
労作でした。ダルマから語り起して良寛まで、日本と仏教の関わり合いを考えさせられた一冊。ただ、同じタイトルの本を出している鈴木大拙まで書き進めなかったのはどうしてだったんでしょう。生まれは隣同士の福井と石川。半世紀ほど大拙の方が先に生まれているとはいえ、禅僧としてなにかしらの意見は持っていたのではないかと思いますが。何か意見を言うにしては生々しすぎるという配慮だったんでしょうか。一般人の心の拠り所としての僧侶という存在が失われてしまったのはいつ頃からなんでしょうね。著者が逝ってから既に十五年。世はキナ臭い。
2019/12/08
天使
読みやすいし、小ネタもよい。良書。
2023/03/31
bittersweet symphony
組織におもねらず独立独歩の姿勢としての禅を追求した、前半1/4が中国の、残りが日本の比較的有名どころを史跡を巡りつつその人生を紹介していく内容。組織禅の胡散臭さに言及しつつも断罪し切れていない所に一抹の寂しさがありますね。個人的にはキャラクターの立ち具合から行くと中/日の割合を逆にして、中国の禅僧を体系立てて紹介している読み物が欲しいところです。
2019/01/25
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