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小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2)

小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2)

小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2)

作家
小林秀雄
江藤淳
出版社
中央公論新社
発売日
2019-07-23
ISBN
9784122067530
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小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2) / 感想・レビュー

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Tenouji

ん~、面白かった。というより、小林秀雄氏の印象が違った。なんというか、人間の心の奥底にある傷:暗闇を見ていた人なんだ…言葉が生まれる瞬間や喜びもそこにあり、書き言葉に傾倒しすぎると、そういうことに出会えなくなると。この後、読んだ開高健氏の『ベトナム戦記』と通じるところがあり、良い読書体験になった。言葉と出会う瞬間【ベトナム戦記 /小林秀雄 江藤淳 全対話 - 天王寺書房 https://tenouji.hatenablog.com/entry/2019/12/28/101613

2019/12/10

猫丸

現代を批判する小林秀雄の語彙がひどい。「数値に還元するな」とか「効率一辺倒では人間が薄っぺらくなる」とか「懐に入り込まねば人間はわからない」とか。居酒屋の客と同等の低レベルなヨタ話がほとんど。「陶器は生地を見ろ。土が大事なんだ」なんて話を聞かされたら「うるせー」としか言えない。江藤淳は小林から日本批評界の首領の地位を禅譲されることを期待して我慢しているだけじゃないのか、とまで勘ぐりたくなるほどだ。こんな調子じゃあんまりだから、小林秀雄の良いトコロを挙げてみよう。まず、守備範囲をむやみに広げないこと。

2020/06/10

双海(ふたみ)

いわゆる三島事件の件りで対談は最高潮に達する。江藤「三島事件は三島さんに早い老いがきた、というようなものなんじゃないですか」 小林「いや、それは違うでしょう」 江藤「じゃあれはなんですか。老年といってあたらなければ一種の病気でしょう」 小林「あなた、病気というけどな、日本の歴史を病気というか」・・・校正で手直しをする前はおそらくもっと言葉が激しかったのではないかと思う。

2019/10/30

小太郎

歴史に残る対談というので読んでみたけれど、「美について」「孤独を競う才能」「歴史と文学」「歴史について」「本居宣長をめぐって」の5つの対談が昭和36年から52年に行われています。この中では一番話題になったのは三島事件についての話が入ってる46年の「歴史について」。前年に起きた三島事件についてのかなり突っ込んだ内容は読みごたえがあります。それとやはり本居宣長についての話が一番興味を惹かれました。アナーキーな小林秀雄とある意味近代常識人代表のような江藤淳の絡みはとても素敵でした。

2020/08/20

うえ

江藤「たとえば「歴史」という言葉などは、今、特別な言葉になっているように思います。マルクス主義がそうしてしまったのでしょうか。社会という言葉についても同様でしょう。ある時代が人間をつくるというのはおかしないい方」小林「昔の人は、歴史家たる根本条件を博覧強記と考えた。先ず歴史を考える方法を得ようとは考えなかった。これは結局正常な道なのです。先ず博覧強記という馬鹿正直な道を行かなければ、歴史という人智にとって実に気味の悪い、どう再構成していいかわからぬ実体が痛感できないでしょう。この苦しみを略したがるのだね」

2020/01/17

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