成城だよりIII (中公文庫 お 2-20)
成城だよりIII (中公文庫 お 2-20) / 感想・レビュー
amanon
古希を超え、本人曰く七つの病を抱えながらも、読み、書き、会い、見る…その果敢な姿勢に感服。自分の体をある時は労り、ある時は騙し騙ししながら行う外出の描写などは、前回読んだ時以上に身に迫ってくる。それだけこちらも年を取ったということだ。そして、自分より年上の知人はもちろん、時には年少の者も見送らなければならないという長く生きたが故の皮肉な体験は何とも言えず悲しい。また、しばしば活字離れ、文学の衰退が語られるが、それから三十数年たっても、まだ何とか文学は様々なスタイルをまといながら生きながらえている。
2020/05/06
akapon
二月八日の記(P.39~)に小学生のお孫さんの読む少女漫画についての考察があり関連してやはりお孫さんがファンだという新井素子さんの小説の文体についての言及がある。「従って新文学が筋と場面転換と心理描写までマンガのコマを真似て小説を書いてもなにも悪いことはない。十六歳にしてSF小説『あたしの中の……』を書きし新井素子の「えっと、あとがきです」の如き口演(「語」に非ず)体生ず。」口演体という言葉は知らなかったのでこの指摘は興味深い。落語の口演速記本など出ているようで確認してみようと思う。
2019/12/22
Inzaghico (Etsuko Oshita)
1985年という時代を思い出した1冊となった。グリコ森永事件、ボーイング機御巣鷹山墜落事故、1年前になるけれど渡辺和博の◯金・◯ビなど。大岡家の1985年の正月は◯金・◯ビで大いに盛り上がったという。マンガもよく読んでいて、若いなあ、と感心した。「ルイーズ・ブルックス刈り」でここまで盛り上がれる老人もいないだろう(笑)。
2019/11/21
miunac
二十歳の時に親本を読んだ。日記に「こういうじじいになりたいもんだ」という書いた。幾星霜を経て、大病をした大岡昇平よりも意気地がなくなっている自分が情けない。もうひとふんばりするか。
2019/11/03
URYY
日々、充実しているようだ。
2020/09/25
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