KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

鴎外先生-荷風随筆集 (中公文庫 な 73-3)

鴎外先生-荷風随筆集 (中公文庫 な 73-3)

鴎外先生-荷風随筆集 (中公文庫 な 73-3)

作家
永井荷風
出版社
中央公論新社
発売日
2019-11-21
ISBN
9784122068001
amazonで購入する Kindle版を購入する

鴎外先生-荷風随筆集 (中公文庫 な 73-3) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Ribes triste

永井荷風の描写と表現力にはいつも感嘆させられる。言葉の選びや並びの調子も、さながら音楽を聴くよう。巻頭の「鴎外先生」の森鴎外への追悼文は、とても優しく美しい。色々と言われる荷風ですが、ひねくれ度合いも、あまりに率直な感情の発露の仕方も、どこか憎めないのです。付録の谷崎潤一郎「つゆのあとさきを読む」、正宗白鳥「永井荷風論」はそれぞれの人柄がよく出ていて、面白い。正宗白鳥さんの人柄の優しさに感じ入りました。そして、谷崎はやっぱり谷崎でした。

2020/03/01

風に吹かれて

森鷗外のこと、向島・銀座・浅草のこと、など。荷風が鷗外を師と仰いでいたことは知らなかった。荷風はフランスやアメリカで学び、そして鷗外に招聘されて慶應義塾大学に職を得たこともある。鷗外の墓が向島にあったことも向島界隈を逍遥する契機でもあったようだ。当時の街で催されていた数々の演劇や身を売る女性たちの姿を知る由もないが、荷風の文章で描かれる人々の懸命さや欲がぼんやりとした明かりに滲んで見えてくるとき、政治的なものと関わろうとしなかった荷風の精神の自由さを感じた。➡

2020/03/16

浅香山三郎

表題作「鷗外先生」をはじめ本書の三分の一は鷗外に関する永井荷風の随筆。残りは、「Ⅱ 向島・銀座・浅草」、「Ⅲ 書かでもの記」であるが、Ⅱのうちの向島は鷗外の東京で最初の居住地であり、かつて墓所があり、Ⅲは自伝的な文章だが、師事した鷗外と上田敏に触れてをり、関連し合ふ。荷風が鷗外の史伝『伊沢蘭軒』に魅了された思ひを述べ、『渋江抽斎』の面白さを説き、鷗外歿後の全集編集や墓参を詳述するのを読むと、『断腸亭日乗』の記主らしい記録者としての性質に同じ姿勢を感じた。江戸期の文物への愛惜、濹東への郷愁、師への思ひなど↓

2022/09/29

イボンヌ

幼い頃から四書五経に通じ漢詩や古典を読み、フランス語が堪能だった永井荷風さん。教養を身に着けたい

2020/02/16

まどの一哉

娘の森茉莉が初めからしっかり計画したままに書かれていて面白さに欠けると評する鷗外。後期の歴史ものについて「渋江抽斎」など確かに大衆ウケはしないだろうがその魅力を解説。いかに歴史そのままに書いたにせよ、朝露に濡れる蜘蛛の糸などのちょっとした描写をはさむなど、鷗外の文章が魅力溢れるものになるのは当たり前な気がする。

2020/08/22

感想・レビューをもっと見る