青山二郎の話・小林秀雄の話 (中公文庫 う 3-17)
青山二郎の話・小林秀雄の話 (中公文庫 う 3-17) / 感想・レビュー
冬見
白洲正子の『いまなぜ青山二郎なのか』を読んでいたこともあり、タイトルを見てすぐさま手に取った。白洲正子とはまた別の視点から見る青山二郎の姿。「青山学院」とまで呼ばれた集まりを作るほどに多種多様な文化人との交友を持った青山二郎のエッセイであるはずなのに、奇妙なほどに彼らの気配がしない。小林秀雄の気配すら。そこにいるのは宇野千代と青山二郎のふたり。芸術や彼の業績を抜きにして(なんと「陶器には興味がなかった」とまで言っている)、青山二郎その人自体にのみ興味と親愛の情を持っていたのだなと感じさせられた。
2021/01/19
naotan
小林秀雄の名前につられて購入。青山二郎という御仁のことは全く存じあげなかったのだけれど、あの本の装丁も、あの雑誌の表紙も、彼の筆によるものと知って驚きました。骨董品の話は面白い。
2020/08/12
寛理
宇野千代の文章だけでなく、青山、小林、大岡昇平のエッセイも載っている。前の3人がわりと意味不明な文章を書いているのに対し、大岡昇平の文体はきわめて明晰だ。とにかく、最近大岡の文章を読めない環境にいるので一種の清涼剤になった。
2020/12/27
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