三の隣は五号室 (中公文庫 (な74-1))
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三の隣は五号室 (中公文庫 (な74-1)) / 感想・レビュー
ミカママ
横浜あたりにある某アパートの同じ部屋、約50年に渡ってそこに暮らした住民たちの「特になにがあったということのない毎日」を切り取った作品。昭和から平成にかけての文化史としても。わたし自身が暮らしたアパート、学生時代に半同棲していた彼氏が住んでた高架下のアパート(トイレが和式だった‼️)なんかを思い出しながら楽しめた。そこまでの思い入れがないとやや冗長と捉えられるかも。登場人物が多いので年表があるとよかったかもしれない。ひさびさの長嶋有作品、とても彼らしかった。
2021/10/20
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆4.5 アパートの一室に歴代暮らした住人をモチーフにするという作者の目の付け所がユニーク過ぎます。 1966年から2016年の間に、とあるアパートの「五号室」 に暮らした1代目の「藤岡一平」から13代目の「諸木十三」まで、13世帯に渡る歴代の住人達を描いた作品です。 個人個人に面識はなくても暮らした時代の背景は異なっても、同じ「五号室」というその一室で 暮らしたという事で「五号室」の住人たちは繋がっているのです。
2021/02/02
はっせー
不思議で優しい感覚を味わえる小説を読みたい人におすすめの本になっている!この本を読んで思うことは滝口悠生さん『高架線』と設定が似ていると思う。だが書き手が違うとこんなにも味わいが違うのか!って驚いた。そのためこの本と一緒に滝口悠生さん『高架線』も読んで欲しい。あらすじとしてはとある木造アパートの5号室の50年間計18人の住民を描いた作品になっている。この本の主人公はだれだと聞かれたら私は5号室と回答するだろう。いやーやっぱり面白い!毎日の何気ない日常って人から見たらこんなにも面白いと思うんだと感じた!
2023/06/17
ふう
行きつ戻りつしながら数十ページ読んだところで、だめだ、頭がぐちゃぐちゃで物語に入っていけないと思い、年表を作りました。50年にわたる、とあるアパートの五号室に住んだ人々の短い生活が描かれています。しいて言うなら主人公は五号室ということでしょうか。部屋の間取りは変わらないけど、水道の栓がレバーになり、観ているテレビ番組が移り変わり、中にはちょっとぶっそうな住人もいて、人々はこんなふうに暮らし、その暮らしの一コマ一コマが平凡だけどいとおしい歴史なのだと、自分のアパート暮らしと重ねながら感じました。
2020/01/02
佐島楓
本書を読むと、誰にも影響を及ぼさない人生などひとつも存在しないということがわかる。本当にちょっとしたことでも、痕跡としてほかの誰かに深い印象を与えたり、行動を変えたりする力を持つことがある。普段自覚しないで生きているけれど、生きていること自体が一回限りのオリジナルで凄い現実なのだと思う。自分にしかできないことって、実はたくさんあるのだ。
2020/01/07
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