文豪と女-憧憬・嫉妬・熱情が渦巻く短編集 (中公文庫 な 52-7)
文豪と女-憧憬・嫉妬・熱情が渦巻く短編集 (中公文庫 な 52-7) / 感想・レビュー
くさてる
明治から昭和にかけての文豪が女性を扱った短篇アンソロジー。現代とは性差への感覚的に違和感あるものも多いのだけど、女というテーマにこだわらず読めば、さすがの文豪揃いということで、面白みのある作品もありました。森鴎外「杯」田山花袋「少女病」久生十蘭「姦」太宰治「葉桜と魔笛」などが特に良かったです。
2020/12/12
Foufou
太宰や安吾が文豪かはともかく、収録順が女性の年齢順になっているのがユニークといえばユニーク。さきがけが鷗外しんがりが太宰。女が書けている書けていないが書き手の技術の指標のようにいわれた時代もあったようだが、今そんなこといったら炎上必至。女性論のテイもなさない極めて恣意的なアンソロジー。吉行も川端や三島もなし、女性作家は皆無。収穫としては、谷崎の『青い花』と堀辰雄の『辛夷の花』を読めたこと、太宰の『葉桜と魔笛』を再読していまだ心動かされる自分を発見したこと。にしても漱石が享年四十九。長命の文豪の少ないこと。
2023/04/25
you
全く読み込できず、よくわからない展開の話が殆ど。永井荷風、夏目漱石、谷崎潤一郎、堀辰雄等、一文で情景が鮮明に浮かぶ文豪もいれば、全く読み取れないものも多い。文豪は読み手のレベルを選ぶなあ。出直し再読決定。
2020/10/13
chiro
文豪たちが書く「女」。女の心情を表現するのは不思議な事に男性作家の方が上手なのだろうか?と感じる。全作品楽しめたけど、田山花袋の「少女病」はラストが衝撃的、堕落についての考えが興味深い坂口安吾の「いずこへ」、太宰治の心に響く姉妹愛「葉桜と魔笛」が好き。泉鏡花は読みづらかったなあ。坂口安吾、もっと読んでみたい。
2022/05/22
黒い森会長
200ページの中に、15人の作家の作品。「少女病」まさに「蒲団」の花袋だ。「庭の夜露」荷風の作品。まだ若い、「下田の女」若書きではあるが、中島敦のイメージを変える。「青い花」谷崎らしい物語。「いずこへ」勢いのあるうまい文章で最後まで読ませるが、よくわからない。安吾は合わない。「姦」十蘭は良い。「葉桜と魔笛」解説を読み、太宰の上手さを確認する。「雪の翼」鏡花は、声を出して読むと良い。圓朝などと同じ「語り」手と思う。
2021/02/02
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