新装版 マンガ日本の歴史2-倭の五王と大和王権 (中公文庫 S 27-2)
新装版 マンガ日本の歴史2-倭の五王と大和王権 (中公文庫 S 27-2) / 感想・レビュー
榊原 香織
ここら辺は割と謎の時代
2023/04/16
よっしー
第二巻、倭の五王と大和王権。本書では王統が万世一系ではなく、畿内とその周辺を基盤とする五つの王統が興亡を繰り返し形成・発展したものであると示している。史料が少ない時代ではあるが、日本発展の基礎となる大変興味深い時代だ。仏教の浸透も当然ではあるが一筋縄ではいかなかったようだ。崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏。長い抗争の末、蘇我氏が優勢となり次第に受容されていったとのこと。日本人の生来の信心深さは古代から培われてきたものであることがよく分かった。
2023/11/27
ソラーレ
力のある王族でさえ民衆からの信頼がなくなれば衰退してしてしまう。政治は最低限、民衆の健康と食を確保していかなければ崩壊してしまうものだなと感じた。●4世紀半ば、民は疫病、飢饉に苦しむ。王族が神に祈願するが効果はなかった。次第に民衆からの信頼も失われて王族の力が衰退していく。地域の神々を独占する古い支配のしかたは、民衆の反撃をうけるようになった。やがて大和を基盤とした倭の王が力を付け始める。そして、全国統一を目指すようになる。王権確立の為、血みどろの戦いが代々続くことに。
2022/09/20
totuboy
そもそも日本の歴史の中で、4世紀から5世紀はほとんど文献資料が存在せず、暗黒の歴史ともいえる。その中で、どのように日本が統一されていったのかを、倭の五王を中心として描く。そもそもその試み自体がチャレンジングなものであり、一読の価値はあると思う。また、大王の権威がどのように高まっていったのかを、祭祀に注目して描いている点も新鮮。
2021/02/02
Kyohei Matsumoto
4世紀ごろの日本から、仏教受容まで。最後まで大和に抵抗し続けた吉備(岡山県)ゆ磐井(佐賀県)のことが書いてあって、この時代は争いによって国を大きくしていくことがメインだったのかと思いながら読んだ。大きくて強いものが良いというかなり素朴な考え、古代らしい発想というか。仏教受容も崇仏派の蘇我氏、廃仏派の物部氏といろいろな血を流す争いの元に起きたことも書いてある。朝鮮半島も仏教を広めることに協力的だったようだ。東洋の非常に深遠な哲学体系と言えると思うが、やはり神様というような間違った形で最初は伝わったのだな。
2024/04/20
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