屋根裏博物館の事件簿 (中公文庫 さ 81-1)
屋根裏博物館の事件簿 (中公文庫 さ 81-1) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
16歳の高校生だが、私設博物館で民俗学研究にはげむ少女あづみ。実在の人物である渋沢敬三(栄一の孫)・網野善彦の史実にからませて、現実との接点を保持しながら、物語世界へ濃厚に入り込む点が醍醐味。昭和34年という時代設定は、民俗学的調査には必要な過去だろう。時には危険にさらされるシーンにハラハラさせられながら、あづみ自身の過去にも接近していく。続編が読みたいが、史実の渋沢敬三は4年後に亡くなっているので、あづみの将来も気になる。同僚の林常彦が、よき兄のような役割を果たしてくれるのが心強い。
2020/12/17
那由多
昭和34年、前年に東京タワーが完成し、5年後には東京オリンピックの開催で高度経済成長真っ只中の日本。首都東京では近代化が進む一方、地方では未だ貧困に喘ぎ文明に取り残されているところもあった、そんな時代に女子高生あづみと新米研究員の林が調査に赴き人の闇を解く。複雑なあづみに対し、林が兄のような立ち位置で見守る安定感がある。
2021/11/06
barcarola
民俗学に因んだミステリ。うっすらとファンタジー(?)。タイトルは屋根裏博物館(アチックミュージアム)の事件簿でカバーイラストも都会的(なお、時代は東京タワーのできた頃)だが、各地への調査旅行が物語の舞台となっており、その変化が楽しく、興味深い。
2023/04/02
bvbo
渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館では民具の蒐集、研究と「日本民俗学」の研究が新たに進められていた。敬三に拾われた記憶喪失の少女が同僚とともに持ち込まれた謎を解く…3話。 最初は主人公の性格にイラっときたが、話しが進むうちにまあ、わかるように。仕事内容も同僚と友達とも上手くやってけるかな?と続きが気になる。出たら読みたいな〜
2021/04/15
TAKUMI。
日本民俗学研究員のあずみと常彦が、3つの謎の調査を行うが真相にはたどり着かない。 『奇妙なムサカリ絵馬』『あいさつはイナサ参ろう』『悪夢の赤い馬這う』 真相は、あずみの見る夢で明らかになると言う結末ってあり? とは思いながらも、まあまあ面白く読めました。
2022/01/05
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