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架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫 て 11-1)

架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫 て 11-1)

架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫 て 11-1)

作家
寺地はるな
出版社
中央公論新社
発売日
2020-12-23
ISBN
9784122070066
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架空の犬と嘘をつく猫 (中公文庫 て 11-1) / 感想・レビュー

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黒瀬

破綻した、あるいは優しい嘘を吐き続けた善人でも悪人でもない家族の物語。幼い三男を亡くして空想の世界に逃げる母、愛人の元に転がり込む父、そんな両親に反発する姉etc…。どこの世界にもいて必要以上に踏み込みもせず、かといって傍観し切り捨てることも出来ない人間臭さを感じさせる彼らの生き方が好きだ。時として必要になる優しい嘘は一度使ってしまったら最後まで貫き通すべきか否か。

2021/08/04

nyaoko

出ている作品全部読みたい寺地さん。これは購入本。不思議なタイトル。架空の犬って?嘘つきな猫って?もう読む前から心を捕まれてます。羽猫家の人々の30年間の物語。普通ではない親がいる事の寂しさと辛さは少し分かる。そんな親でも大事にしようと健気な嘘をつく息子・山吹と、正反対の気質の姉の紅。紅の生き辛さや容量の悪さは読んでいて自分みたいで痛かった。2人の孫を親代わりに育てた祖母の言葉が印象深い。

2021/05/13

さおり

私の2018年おすすめランキング1位本。文庫で再読しました。初読のときは後半どろどろに泣いてたんだけど、今回は展開がわかっているため、はじめの10ページで既に涙ぐむ事態。けど全体的には、泣くよりも笑う方が多かった。これは、3年を経て私が少し変わったからかもしれなくて、ちょっと嬉しい。主人公の山吹は、不憫な子ども時代を過ごす。架空の犬を撫で、嘘をついたりつかれたり。大人になってからの、頼といるときの山吹がとても好きだ。読了後、あのシーンがもう一度読みたいな、と行ったり来たりを繰り返す。幸福な読書時間でした。

2021/07/26

mayu

4歳で命を落とした弟。この出来事により、少しずつ歪みが生じ、家族の形が損なわれていく。悪人ではない、だけど、正しい行いばかりはできない、普通の人たち。嘘をつかなければ立ち直れないほどの真実もある。相手を思ってついた優しい嘘のはずが、相手をどうしようもなく傷つけることもある。苦しくて仕方なくて目を背ける時もあったけれど、ゆっくりとまた向き合って、お互いに少しずつ近づいて、家族として結びついていく、そんな30年。子供時代に悲しい思いをしていた紅と山吹が、それぞれの幸せを見つけられたのも良かったと思う。

2024/10/21

にゃおこ

タイトルと表紙を気に入って。予想とは違う、8歳の少年のその後30年間を5年間隔で淡々と描いた作品でした。おばあちゃん、コタニさんとの会話、物置のアキラくんとの場面が印象的。今年のお気にBest5に入りそう。

2022/11/06

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