新装版-ジウIII-新世界秩序 (中公文庫 ほ 17-16)
新装版-ジウIII-新世界秩序 (中公文庫 ほ 17-16) / 感想・レビュー
旅するランナー
誉田哲也ファンにとっては伝説になっている、新世界秩序による歌舞伎町封鎖事件。総理大臣の拘束、治外法権の要求。いい国作ろうキャバクラ幕府か!?なんてチャカしてる場合じゃない。その怒涛の展開に、ページをめくる手が止まらなくなります。ジウ三部作は、間違いなくノワール小説の金字塔です。
2023/11/09
sin
幾人かの方もそう思っておられるだろうが、地道な刑事ドラマではなく映像向けのエンタメ作品と云う印象を持った。社会からはみ出たミヤジと云う人物の狂気か?それを利用しようとする権力者の驕りか?果たして自己主張の下手な日本人がここまで思いきった行動に踏み切れるだろうか?とはいえこの非現実感と刑事ドラマの融合が面白い。最後に導入となった誘拐事件とジウの存在に立ち戻って物語を〆る処に上手さを感じた。そして「我在這里」と訴えるジウの真意に心をうたれた。
2023/01/19
えりこんぐ
『ジウX』が届いたので予習のため再読。何回読んでも面白い。ふわふわOLか!って突っ込みたくなる美咲にイライラしてたけど、この甘いとこに基子は心を開いたのだからこれで良かったと思った。【積読25】
2024/04/24
ま~くん
初版発行が12年前だけど古臭さは微塵も感じない。美咲と基子が交わることはなかったが、最後に二人の関係に救いがあったのは良かった。新宿歌舞伎町という混沌とした町に降りかかる大事件。新世界秩序なるジウと黒幕が標榜する考え方に共鳴する人達は、現代の世にも恐らく大勢いる。この物語で起こったことは決して絵空事ではない。コロナの影響で鬱屈した人々の気持ちがいつ爆発しないとも限らない。政治がしっかり舵取りをしないとマジでヤバイ。正義の考え方は人それぞれ。ジウのような考え方も決して突飛じゃないのかも。ぶっ飛んだ話だった。
2021/05/26
空のかなた
圧巻の最終巻。まるで映画を観たあとのよう。日本からの治外法権、麻薬の壮大な市場を歌舞伎町のど真ん中に作る、そのための犠牲や荒事は覚悟の上、というミヤジの考えも理解できないわけではない。ミヤジの生い立ちが前巻で詳細に描かれていた事が、ここで活きてくる。そんな阿鼻叫喚の中でもジウの背筋を伸ばした孤高の眼差しが際立つ。ジウを演じられる役者がいるのか、思いつかない。基子はこの先警察に戻らないのか、新世界秩序を受け継ぐ者として生まれ変わるのか、こんな終わり方をされるとあとが引かれてしまい、気持ちが持っていかれる。
2022/01/18
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