さそりたち (中公文庫 い 35-27)
さそりたち (中公文庫 い 35-27) / 感想・レビュー
kinkin
昨今、特殊詐欺という悪質な犯罪が多い。老人から巨額のお金を騙し取る。この本に登場する外資の事務機器販売会社、さそりチームもいわば詐欺チームと言えばそうだが、金持ちなどにチームで芝居を打って商品を売るという読んでいての悪い気分にならない痛快な内容だ。チームで様々な手口、まさにコンゲーム。名作映画『スティング』は見ている側も騙される映画だった。映画を思い出した。この本約50年前に書かれたので内容は少し古くささを感じるものの、著者が一番活躍した時代。今読んでもその展開は素晴らしいと思う。
2024/11/18
Inzaghico (Etsuko Oshita)
四谷で会報誌の発送に勤しむ修道女に「自動封入封帯機」を売りつけようとするサソリチームの奮闘ぶり(だいぶ方向は間違っているが)がおかしい「”さそり”最後の事件」の最後のオチときたら。エピローグが、チームのこれからを感じさせて明るくてよい。華々しく負けたチームではあるけれど、もうひと花咲かすことができるのではなかろうか。コンゲームの醍醐味を堪能した。
2021/08/19
Nobuko
リメイクバージョン 1978年の作品らしい 嘘つきで犯罪者になるのを恐れて小説家になったという これまた嘘か誠かの井上ひさしが書く詐欺師のお話
2021/08/04
kousei
著名な作者だが、コンゲームエンタメジャンルの短編集とは意外だった。ちょっと古くさい題材だが憎めない4人組が詐欺まがいの営業で高額事務機器を売りつける楽しい作品。
2023/07/26
hirayama46
詐欺すれすれの(あるいは詐欺そのものの)セールスを行うチーム「さそり」を描いた連作短編集。やや時代を感じさせるのは風俗的なものばかりでなく、コンゲーム小説としてもいま読むとだいぶ牧歌的というか、素朴な感覚が強いですね。軽妙な文章の魅力もあり楽しく読めましたが、真面目にと活動しているシスターに毒を仕込むのはやりすぎだった感じがありました。
2022/03/29
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