三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1)
三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1) / 感想・レビュー
さてさて
『人は三千円の使い方で人生が決まるよ』と祖母の琴子が語る一つの言葉から始まるこの作品。『三千円ですることが結局、人生を形作っていく』という言葉の意味が作品全体のテーマをも形作っていきます。『お金』を貯めるとはどういうことだろう、『節約』をするということはどういうことだろう。そして、そんな『お金や節約』をしながら生きるということはどういうことなのだろう。たかが『三千円』、されど『三千円』、その先にそれぞれの人がこの世に生きること、そして、人生というもののあり方についてふと考えさせられた、そんな作品でした。
2022/03/26
馨
節約家族小説。おばあちゃん琴子の再就職と、元証券会社員だったお姉ちゃんがしっかりしていて良かったです。将来死ぬまでにかかるお金のことや家族とのこと、あまり考えていなかったので老後必要なお金の多さに自分はやっていけるのか不安になりました。今から見直して節約を始めても遅いぐらいじゃないかと思いました。節約できるところをしていこうと思います。
2021/12/17
Kanonlicht
読んでいる途中から、お金の使い方を真面目に考えなければと焦燥感。切り詰めなくてもある程度生活ができるようになると、後先考えず使ってしまい、貯金は結局余ったお金だけ。将来のことを考えると正直不安しかない。この話に出てくる家族の姉のように資産運用の知識のある人が家族にいてくれたらいいのにとも思ったけど、家族にいたところでお金のことなんてきっと相談しにくいんだろうな。そんな家族同士の葛藤もリアルに描かれていて、共感することしきり。なんにせよこれをきっかけに変わらなきゃと思わせてくれるスゴイ本。
2021/10/05
bunmei
題名の通りお金の使い方をテーマにしているが、ある家族の女性達の生き方のあるある感を切り取ったホームドラマのような内容。お金に纏わる出来事や節約術を絡め、家族の心の葛藤が描かれている。2年前に退職をし、子供も独り立ちしてこれから退職金を当てにしながら、夫婦で余生を送る自分にとっては、考えさせられる内容でもある。「他人は他人、自分は自分と割り切れているか?」と解説でもある様に、自分らしく生きる為のお金の使い方とは、他者との優劣ではなく、自分が幸せになる為の使い道にこそ、お金の価値が見い出せるのだろう。
2021/12/17
ノンケ女医長
原田ひ香さんという、素晴らしい作家を知ることができた作品。キャンペーンをしてくれた読書メーターにも感謝。自分の生き方、お金の使い方、しっかり足を地に着けることがフワフワ、はっきりしなくなって生きるのがしんどくなったときにこそ、何度も読み返したい作品。生活を大事に、守り、この先も進んでいきたいという極真っ当な気持ちにさせてくれる、大好きな作品。はい、これは何度も読んで、自分を力づけたい大作です。
2024/09/28
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