たそがれてゆく子さん (中公文庫 い 110-6)
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たそがれてゆく子さん (中公文庫 い 110-6) / 感想・レビュー
ゆきらぱ
面白く読む。やっと読めた、こんなのが読みたかったんだ、という感覚。「自分らしさ」がわからない私達に伊藤比呂美が答えてくれる。自分の意思とか意識とか、大したことない、そんなものでコントロールできないところ、なんでこんな事やってるんだろ、というところで自分は生きてるんだなってわかる、と。(これに激しく感動した)あと一つ、親には頑張って反抗する。これを心掛けていくというのも良かった。おとなになっても更年期になっても更年期を過ぎても親の期待を裏切ろう。そうすれば自分らしさをつかみとれる、という。貴重な話。
2021/12/16
ぶんぶん
【再読】またまた、読んだ本を借りて来てしまった。 今回は読んだことを忘れて読んでしまった。(笑)しかし、伊藤比呂美さんは、詩人だ。 苦労して来た事も苦労している事も詩にしてしまう。こんな、どうとでも取れるエピソードにも詩心がある。完全に老けてしまった比呂美さん、でも、そんな中にも華がある。いろいろ、あっても自分自身を忘れない、そして何とか生きて行こうとする。そこに生きるパッションがある、赤裸々に自分に問いかける素直さがある。60歳になって生きるとは何か、しみじみ思える人生、まだまだ人生は長いと言いたい。
2022/11/13
ぶんぶん
【図書館】伊藤比呂美のエッセイ。 父を亡くし、配偶者の死をみとる処から始まる。 伊東比呂美の痛快エッセイかと思ったら初老の独りの女性の近況報告だった。 比呂美嬢も60歳か・・・年は取るものだ。 たそがれていくのは仕方ないが、セックスとか更年期の話をもっと詰め込んで欲しかった。 淡い恋にも発展しなかった友達の話だけ頭に残った。 毛抜き、スポブラジョキジョキ、には笑ったが。 まずは、早稲田大学に仕事が見つかって良かったです。
2021/12/27
あーびん
還暦を迎え、カリフォルニア~熊本の遠距離介護で両親を看取ったあとに夫の介護が待っていた著者の老いと孤独を見つめるエッセイ。両親や夫を亡くした寂しさにつつまれていても、くだらない小話をテンポよく交えて読ませる文体のため湿っぽくはならない。もう一度介護したいと思う境地がすごい。
2022/02/10
えりまき
2022(286)伊藤さんのエッセイ。子育てを終え、親の介護と見送り、夫の介護と見送り、自分の健康・・・、共感できる部分がたくさんあって、「老い」について勉強になります。どんなに知識を得ても、「その時」自分はどうなるのか。
2022/11/13
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