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戦国鬼譚 惨 (中公文庫 い 132-3)

戦国鬼譚 惨 (中公文庫 い 132-3)

戦国鬼譚 惨 (中公文庫 い 132-3)

作家
伊東潤
出版社
中央公論新社
発売日
2021-11-19
ISBN
9784122071360
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戦国鬼譚 惨 (中公文庫 い 132-3) / 感想・レビュー

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kawa

伊東氏の戦国・武田家滅亡の物語「天地雷動」「武田家滅亡」を読みついでのこちら。それらに登場する南信濃の戦役キー・マンを中心に描く充実短編集だ。あっけなくも坂道を転がるごとく滅びていった武田家という史書等での解説。曰く、木曾義昌の裏切りがきっかけ、いやそれに先行する穴山信君(梅雪)の存在、等々。ワンワードで評されるほど単純な話ではなく、その過程には各々の止むに止まない事情があった。本書はその部分に焦点をあて、お得意の伊東マナーのフィクションを交えて、興味深くも読み応えありの一作に仕上げている。

2022/01/06

ソーダポップ

信玄の死去に伴い、家督を相続した勝頼と、それに対抗する信長、秀吉、家康がそれぞれの立場で、何を企て考えて駆け引きをして、長篠の戦いまで突き進んだかを小説化したものであるが、テーマは三千挺の銃の手配と、勝頼と武田の重臣との確執が中心となっている。大変面白い小説で興奮して読み終えた。伊藤潤超リアリズムのハードな描写がよい作品でした。

2024/07/14

鮫島英一

天正10年2月、信長は甲州征伐を開始する。前年に遠江国の要所高天神城を見殺したことで、武田氏では家臣達の動揺が収まっていなかった。そこに、この報。誰もが思った明日は我が身と。甲斐武田氏滅亡のカウントダウンが始まる。ある者は誇りある死を選び、ある者は臆病にも敵前逃走し、またある者は早々に敵と通じる。生きるという目的のためなら、人はどこまでも恥知らずになれる。精強を謳われた甲斐武田の姿はなく滅びゆく姿に目を背けたくなるけど、それこそが本作品の凄味があり、流石は伊東 潤先生だと再認識した一冊でした。

2022/01/02

サケ太

武田家の人々を描いた短編集。裏切り、裏切られ、信じ、信じられ。様々な人物たちの生き様が活写されている。良かった。

2022/01/12

hiyu

綻びが見え始めた武田家の周辺人物を描いているのだが、目次以上に冒頭から守るものへの執着が激しく示されており、また、権謀術数の在り方をみても、選択の困難さも見て取れた。

2022/08/12

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