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ニセ姉妹 (中公文庫 や 74-1)

ニセ姉妹 (中公文庫 や 74-1)

ニセ姉妹 (中公文庫 や 74-1)

作家
山崎ナオコーラ
出版社
中央公論新社
発売日
2022-01-20
ISBN
9784122071728
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ニセ姉妹 (中公文庫 や 74-1) / 感想・レビュー

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さてさて

『私と姉妹になってください』そんな言葉の先に『血の繋がり』に囚われない新しい『姉妹』像を提示するこの作品。「ニセ」という言葉に悪い感情を抱きながら読み始めた作品には、今の世の中で薄れつつある『血の繋がり』を改めて感じさせる物語が描かれていました。『屋根だけの家』という常識に囚われない発想と新しい『姉妹』像を提示するこの作品。最終章に描かれるまさかの視点の切り替えとその舞台設定に驚かされるこの作品。”血が繋がらなくても姉妹になれる”「ニセ姉妹」という言葉がしっくりし出すのを感じた、とてもポップな作品でした。

2023/07/04

いたろう

養子縁組で、血の繋がらない親や子を選ぶことはできるのに、血の繋がらない姉妹を選べないのはおかしい? 義理の姉妹は、自分で選んだ訳ではなく、血の繋がった兄弟姉妹の結婚の結果、そうなっただけ。盃を交わした義兄弟というのは聞くけれど、義姉妹というのはありやなしや? 一緒に暮らして、姉妹になりたいと考えた百夜、正子、あぐりの、3人のニセ姉妹の物語。正子が宝くじの高額当選金で建てた、しきりの壁がほとんどなく、2階へは螺旋階段、その2階からハシゴで上がる3階、そして天窓という「屋根だけの家」が、なかなか斬新で楽しい。

2024/06/11

cao-rin

実の姉妹がいるのに、敢えて血の繋がらない友人とニセ姉妹として生きようとする正子の話。私は一人っ子だけど、正子の感じる「血の繋がった家族」に対する気持ち悪さというものは私にも理解できる。血の繋がり故に却って厄介だったり一筋縄ではいかない事は親子きょうだいでは普通にある。この話は理想だろうし上手くいき過ぎ感は否めない。ただ読後感はとても良く、羨ましくも感じる。巻末の阿佐ヶ谷姉妹と作者の対談がこれまた良い。阿佐ヶ谷姉妹の最終目標、いいな〜。私の目標も似たような感じなので、正に「そ〜!それそれッ!」ってなった。

2022/03/18

はな

ここで描かれるニセ姉妹という制度、興味深いしめっちゃいいなぁと思いました。血の繋がった姉と妹とは姉妹関係を解消して他人と姉妹になるというのはなかなか出来ない行動だけどそういう自由さや突飛な提案に賛同してくれる気の合う友人がいるというのは羨ましいです。ナオコーラさんと阿佐ヶ谷姉妹の対談もよかったです。

2024/07/30

桜もち 太郎

叶姉妹に阿佐ヶ谷姉妹、芸能の世界にはニセ姉妹はいるけれど、この物語に出てくる三姉妹もニセ姉妹。夫婦の在り方は最近いろいろと取りざたされているけれど、姉妹の在り方はあ未開拓の現在の日本。主人公の正子は実の姉妹と別れを告げて、友人の二人を姉妹として受け入れた。「『血の繋がり』なんて気にする必要のない時代が、ついに到来したんだよ」と団結するニセ姉妹たちの不思議な関係。はたして作者は何が言いたかったのだろう。作中にヒエラルキーやマウンティング、ルッキズム的なことを取り上げている。→

2023/03/18

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