ネコ・ロマンチスム (中公文庫 よ 17-17)
ネコ・ロマンチスム (中公文庫 よ 17-17) / 感想・レビュー
ベル@bell-zou
編者の吉行淳之介に興味はないけれど渋い猫につられて衝動買い。(カバー画:藤田嗣治) ◎「愛撫(梶井基次郎)」猫の耳を噛む。前足の蹠(あしのうら)をまぶたに置く。衝動を抑えられない基次郎。 ✕「恋人同士(倉橋由美子)」なんだかすごく気持ち悪い。不愉快。 ✕「港のスフィンクス(金井美恵子)」まったくピンとこない。 ◎「ネコ(星新一)」ネコの奴隷。それで宇宙平和が保たれている。 ◯「猫の事務所(宮沢賢治)」半分の同感と残り半分の反感はなんだろう。何度読んでもモヤモヤ。↓
2022/05/04
陽ちゃん
吉行淳之介によるネコアンソロジー。しかも表紙絵が藤田嗣治の猫!梶井基次郎に始まりラストの内田百閒まで錚々たるメンバーの妖しげな猫作品が並んでいて読み応えがありました。苦手な内容もありましたけど。
2022/06/24
がんもどき
猫でそろえたアンソロジー。しかしどれも「猫かわいい」ではなくなんか薄気味悪い感触の作品も多かった。それにしても小松左京が入っているのか。この人やたら大仰な書き方であんまり好きではないことを再確認した。
2022/11/26
SAT(M)
ネコが出てくる短編をまとめたアンソロジー。梶井基次郎『愛撫』:猫を可愛がる様を描いたエッセイ風の文章。その中で仄かに匂わされる人間から残酷さが良い緊張感になってます。金井美恵子『海のスフィンクス』:「ぼくのなつやすみ」のような舞台設定でありながら、無垢でプラトニックな少年を突き落とすようなラスト。この残酷さは女性作家にしか書けないんだろうな…。吉田知子『猫』:無感情に独り日々を過す老婆の姿が妖怪めいているのですが、その老婆がとっくの昔に殺してしまったはずの感情を猫に向ける様が哀しくもあり恐ろしくもあり。
2022/05/29
Tatsuo Ohtaka
ネコにまつわる奇妙な味の短編12編に内田百閒「ネコ・ロマンチシズム」を増補。編者による「猫踏んじゃった」が秀逸。ネコ好きにはたまらない。
2022/04/24
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