もののふの国 (中公文庫 あ 88-2)
もののふの国 (中公文庫 あ 88-2) / 感想・レビュー
まあか
源平から、幕末まで、もののふ(武士)たちの戦いを一気に駆け抜ける。死に際に聞こえてくる声。螺旋プロジェクトのテーマ、海と山がはっきりと分かれて描かれている。NHKの大河を観ていたので、頼朝・北条氏あたりは理解しやすかったが、他はあまり詳しくないため、もっと掘り下げた話も読みたかった。苦手な歴史ではあるが、もっと色んな本に挑戦していきたい!
2023/02/07
piro
平将門から西郷隆盛まで、「もののふ」達の争いを、海族vs山族の対立になぞらえて描いた連作短編的な作品。源平、南北朝、戦国、幕末維新と武士が主役だった時代・日本の中世から近代にかけてのオールスターキャストが揃った感。彼らが襷を繋ぐように争い続けて来た歴史の流れを感じさせる興味深い物語でした。それと共に、人は争いをやめる事ができない存在だという事実を突き付けられた様で、複雑な思いも残ります。未だに世界から争いが消えない現実を暗示するかのような印象も受けました。
2023/12/09
みこ
螺旋プロジェクト武士編。武士の歴史は戦いの歴史でもあるが、それを本プロジェクトの海族山族そして傍観者と貝のお守りというアイテムにそれぞれ綺麗に落とし込んでいる。強引さがないとまでは言わないが、海族を平氏、山族を源氏とすることで源平交代思想に絡めたのは上手かった。明治編の舞台と登場人物が出てくるので、こっちを先に読んだ方が良かったかも。ただ、龍馬は日本史の中でも「ザ海族オブ海族」だと思うのだが。西郷と土方の最後を見届けた人物なら斎藤一や黒田清隆あたりが傍観者有力候補だった気もする。
2023/01/19
きいたん
う~ん、うまい!いや、もののふに敬意を表し「アッパレ!」と言おうか。螺旋プロジェクト3作目は鎌倉~幕末約900年にも及ぶもののふ=武士達の物語。山と海の対立を歴史上の人物に当てはめ、その間を取り成す黒と青の瞳を持つ長老を超越した存在として使いこのように描くとは。史実をなぞる物語は正に戦いの歴史。だからこその緊張感が終始続き、一本の芯のように貫かれるもののふの魂。相容れない山族と海族、そして長老のチョイスが絶妙で、これが本当に事実なのではとうっかり思ってしまう程。螺旋プロジェクト全開で、次作が益々楽しみに♡
2024/06/30
さち@毎日に感謝♪
「螺旋プロジェクト」の中世・近世編。初読み作家さんです。フィクションなのに、ノンフィクションのような展開でした。時代物は難しいイメージがあったのですが、この作品は海族と山族に分かれている事もあり、読みやすかったです。
2023/02/04
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