幸せの条件-新装版 (中公文庫 ほ 17-20)
幸せの条件-新装版 (中公文庫 ほ 17-20) / 感想・レビュー
W-G
ホッコリした読書時間を味わえるお仕事小説。誉田さんのすごいところが、作品ごとの世界観の降り幅の大きさにもあることは、ファンの方々もあまり異論を持たれないと思うが、泥臭い業界の話で、考えさせられる逸話も含んでいるのに、作中に一点の影も差さずに、明るく前向きで元気をもらえる物語に仕上げるなど、狙ってやれるものではなく、自然に人物が滲み出てくるのだろうなと脱帽する。色々なピースが化学反応を起こしそうな匂わせをしておいて、あえて答えをださずに道半ばで畳んだ結末もちょうどいい案配だった。ドラマ化しそう。
2024/05/07
優希
誉田さん、お仕事小説も書かれるのですね。働くこと、生きることを問う作品でした。役立たずのOLと言われても、成り行きで農業を始めるなど行動力があるじゃないですか。本当に自分のやりたいことを見つけていくのが幸せの条件なのですね。
2024/07/14
mincharos
なんか誉田さんぽくない作品だったけど、相変わらず読みやすくて面白かった!主人公の梢恵は東京で事務職をしていたが、仕事も恋もうまくいかずなんだかなぁ~な日々。社長命令で長野で農業のお手伝いをすることに!うちの実家は農家だけど、私は田植えの時に少しお手伝いをするくらいだったから、農業ってこんなに大変なんだって今更知れた!そしてうちも誰も農家を継がないので、文吉さんの言葉で胸が痛かった・・・もし職を失ってお金がない!ってなったら、田舎に移住して農業やるべき!でも農業は体が資本だから健康じゃないと出来ないけど、、
2023/09/06
koji
読友さんのレビューを読んで、「これはおもしろうそう」と感じ読みましたが大当たりでした。誉田さんに「お仕事小説」もあったのですね。時は東日本大震災前後、落ちこぼれOL梢恵が社命で長野県の農場に赴いた所、何と農家見習いとして働く羽目に。おきまりのOL成長物語にとどまらず、本書がすばらしいのは、著者が確り農業を描いている事(体験も交えた徹底した取材の成果ですね)と、真剣に「働くこと、生きること」を考え抜いた言葉選び。一つあげれば、やっぱり「本当に必要なことは、自分に必要なことを自分自身で見極めること」痺れました
2024/05/22
ナチュラ
誉田哲也のお仕事小説。 東京のOLが会社の命令でバイオエタノールの原料調達のために長野で農業体験をすることになる。主人公の梢恵が農業を通して人間的にしっかりしていく様が微笑ましい。梢恵を取り巻く人達もとてもいい人。爽やかな作品だった。
2023/10/01
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