広島風土記 (中公文庫 い 38-6)
広島風土記 (中公文庫 い 38-6) / 感想・レビュー
Porco
井伏鱒二で広島という題材の選集を出すのであれば『黒い雨』について、言及されるものはあるのだろうと思ったが「戦争と同じで前線にいる兵士には戦の全ぼうがわからない」「原爆についても同じことが言えると思う」など経験したからこそ至った考えが見える。井伏鱒二という作家が『黒い雨』の執筆にあたり、どう原爆に向き合ったかその一端が読めたのはありがたいが言葉の節々に、現代では軽々しく口にするのを憚れる凄味があった。勿論それ以外の広島の様々な箇所を巡る紀行文も楽しかったが、それを踏まえた上での戦時中の話が効果的すぎたのだ。
2023/12/16
Naoko Takemoto
井伏鱒二はウチの旦那と同郷である。(井伏鱒二のほうが山奥)本当に沢山の著作を残し、更に、太宰治との因果な金貸し関係が昨今取り沙汰されているが、本書は故郷広島にまつわる随筆を集めたものである。 彼の人となり、幼少期からの思い出、[黒い雨]執筆の裏側までまとめられている。広島にご旅行の際はガイドブックと共にこの一冊を通読されると感慨深い旅になると思います。良本です。
2023/11/03
代拿邁人☆
広島に旅行に行くのに予習で読んだ。Ⅰは付近の島々の釣りや文化の話、Ⅱは原爆関係、Ⅲは自伝的な文章になっている。地名が多く出てくるので地図を少し見ると分かるかも。どれも人の行動への繊細な感想が含まれていて面白かった。
2024/08/15
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