星とモノサシ (マーブルブックス)
星とモノサシ (マーブルブックス) / 感想・レビュー
巨峰
なんだろう。すごく解るし共感したんだ。まるで、バラバラに分解された私の粉がこの短編たちに少しずつ分かち与えられたかのようだ。かさなりあうひと、すれちがうひと、時の流れのなか、本質的に不器用な人たちが係わりあっていきていく。蛭田さんの小説を読むのは「自縄自縛の私」に次いで2作目だけど、ずっと追っていきたい作家さんになりました。本の装丁はおしゃれですよー
2012/12/19
そうたそ
★★★☆☆ R-18文学賞の受賞作家にはとにかくハズレがないようなあ、と思うのだけれど、その中でも最近知ったこの蛭田亜紗子さんの作品はとにかく巧いと思う。「モノサシ」ってどういうこと、と思ったが、「距離感」がテーマということか。上手く距離感をはかれない人たちの物語。近すぎて失敗したり、逆に遠すぎるのにそれ以上距離を詰めることが出来なかったり。好きな女性と近づきたいがために、思いに反して女装好きを装ってしまう男の子の話は面白かった。痛々しいはずなのに、何故か幼気に感じられる。作品同士の繋がりも絶妙。
2015/06/09
アコ
6篇収録の連作短篇集。テーマは距離感。と、それに対する葛藤。15センチや2メートル、465キロ、そしてチャットという数字では表せないものも。33歳女性が人生の半分近く追っかけているバンドマンとの距離の縮まりを描く『永遠にしたくなかった十メートル』が妙に生々しくて印象深い。読み進めるごとに「いい作品だなー!」と思ったし、映像で観たいなと感じる登場人物&心理・行動・情景の描写だった。装丁がとてもキレイで、全ページが若草色に縁取られている。ずっと読みたくて買うか迷ってた1冊。隣区図書館に感謝。
2019/05/08
らむり
なかなか面白かった。「自縄自縛の私」ほど登場人物に派手さは無いけれど。装丁がかわいい。
2013/02/16
じゃすぽ
《初》病んでるなぁ(笑)という印象の連作短編集。タイトル通りのテーマで、怖いぐらい人との距離感が近すぎる人、遠い距離感に安心する人など、たしかにいるよな〜と思いながら考える。自分の中にも少なからず病的な狂気みたいなものがあるんじゃないかと。オセロがひっくり返るみたいに、哀しみの白が憎しみの黒に一瞬でかわる感覚とか。装丁がこんなに凝ってる本ははじめて。ライトグリーンなのはそうゆうことね。好きにはなれないけれど、嫌いじゃない作品でした。
2015/03/12
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