日本の名著 14 貝原益軒
日本の名著 14 貝原益軒 / 感想・レビュー
紙狸
1969年刊行。『大和俗訓』など貝原益軒の主要著作の現代語を所収。最後に置かれた『大疑録』に関心がありひもといた。死後に公表された。朱子学に疑問を呈する。「理」「気」の二元論を否定する。益軒は朱子学の徒ではないという思いが強くした。益軒の本はいずれも、朱子を含めて中国の古典をもちあげるかしょがあるけれど、それは世に受け入れられるための体裁であって、本当に書きたかったのは彼自身の体験や観察に基づいた主張ではないか。老境になって思想的な本を書く前に、草木学や風土記を手がけたことが生きているのだろう。
2022/03/06
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