谷崎潤一郎全集 第15巻 愛読愛蔵版
谷崎潤一郎全集 第15巻 愛読愛蔵版 / 感想・レビュー
ブルーツ・リー
初期の谷崎潤一郎は、性的倒錯を主題とする作品を作る事が多く、それはそれで作品にはなっていたのだが、多くの人には「気持ち悪い」で終わらされてしまう内容でもあったように思う。 その後、自らの倒錯から離れ、娯楽作品に近い、歴史小説ばかり書いた時期があって、そこで、普遍的に楽しめる物語とはどういうものであるのか。というのを学んだのではないかと思われる。 現代を描く文学に戻って来た当初は完結しなかったり、苦労もしたようであったが、戦中戦後の、細雪に置いて、苦労は結実する。 普遍性や芸術性が担保された、代表作である。
2023/03/18
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