マンガ日本の歴史 29
マンガ日本の歴史 29 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
二代将軍秀忠の治世下の朝幕関係に焦点を当てた、江戸時代初期の二十年間が舞台。豊臣家亡き後、徳川にとっての脅威は朝廷、そして外様大名だった。公家の不行状に対する綱紀粛正をきっかけに朝廷に介入し始めた幕府は、秀忠の娘和子の入内で「徳川の血を引く天皇」の即位を宿願とする。それに抵抗する後水尾天皇に対し、幕府が差し向けた使者、藤堂高虎と朝廷側との折衝は、細かくコマを割った緊迫感溢れる画面構成。そして、豊臣恩顧大名の生き残り福島正則の没落、大御所家康の側近本田正純の失脚などに、戦国時代から江戸時代への変化を感じる。
2023/10/11
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