マンガ日本の歴史 31
マンガ日本の歴史 31 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
いよいよ天下泰平の時代に突入。家光時代末期から家綱時代へ。将軍在位三十年余なのに存在感の薄い四代家綱を幕閣が集団指導体制で支える、カリスマに頼らない幕政も始まる。そして、各地で開墾、湿地や湖の干拓により、全国的に農地が飛躍的に拡大し、人口も急増していく。その間にも、大飢饉や江戸の大火等の災害が新たな脅威として幕府の前に立ち塞がっていく。政治の動きと並行して、農民や町人の暮らしぶりの描写が増えてくる。特に農村の水争い、祭り、加持祈祷等の描写は丁寧で面白い。臨終の老婆が、米を振る音を聞いて逝く描写も印象的だ。
2023/10/18
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