マンガ日本の歴史 38
マンガ日本の歴史 38 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
文化・文政のおおよそ二十年間ぐらいの期間の政治では無く、文化全体の動きが対象。それ以前の町人文化が、武家も含んだ富裕な商人などの社会の上層を中心にしたサロン的なものだったとすれば、化政文化はより大衆化された庶民の文化の色彩が濃い。とは言え、登場する文化人は物語の曲亭馬琴や十返舎一九、絵画の写楽や豊国、戯曲の鶴屋南北、俳句の与謝蕪村、国学の平田篤胤、博物学の鈴木牧之に地理の伊能忠敬など文芸から実学まで幅広い。これも天下泰平の世とそれに伴う経済発展で、社会全体に文化に目を向ける余裕が出来た証拠だろう。
2023/11/24
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