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窯変源氏物語 Tome1

窯変源氏物語 Tome1

窯変源氏物語 Tome1

作家
橋本治
出版社
中央公論新社
発売日
1991-05-01
ISBN
9784124030013
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窯変源氏物語 Tome1 / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

橋本治版源氏物語。非常に面白くて、読み始めたら続きが気になり、最後まで一気に読んでしまった。主人公の光源氏の一人称で物語が進むところに特徴がある。この光源氏は内省的で繊細な内面を持っており、まるで現代人のような趣がある。というのは現代人の一方的な見方で、平安時代の人達もこのような内面を持っていた可能性もあるのではないかとも思った。自然の移ろいを描く橋本さんの筆は冴えており、原作の持つ香気を見事に現代の日本語に移し変えている。14巻もあるのでかなり時間はかかると思うが、最後まで読み通したいと思った。

2015/06/07

syota

光君目線で語られる異色の源氏物語。第1巻は桐壷から夕顔までが収録されている。巻末に記された「原作に極力忠実であろうとする一つの創作、一つの個人的な解釈」という橋本さんの言葉が、本書の本質を突いている。既読の与謝野訳、谷崎訳を参照しながら読んだが、オリジナルのストーリーを尊重しつつも、それに①背景説明、②行間に隠れている事柄の明示、③橋本さんの解釈による大胆な追加(創作)、の三種類の内容が加筆されている。その結果、平安朝の雅な物語文学である源氏物語が、光君の独白を軸とした完全な近代小説に生まれ変わった。→

2024/03/07

meg

古本市で全巻揃えて5,000円だった。とても良い買い物をしたと思う。橋本治版、源氏物語。最後までのんびり読了したい。読みやすい!

2024/03/16

てらこ

光源氏目線で描いた源氏物語。ちょうど林望訳を読んでいるところだったので、源氏はどういうつもりでこのただれた女関係に身を投じているのか?橋本治の解釈に興味が湧いて読んでみました。 読みやすく、いい意味でクセがない林版に対して、本作は文体も表現も劇的でかっこいい。濃すぎて全巻通して読むには体力いりそう(・_・; 宮中の陰湿で過酷な権力争いの中で、自分の人生って何なのか?と自問自答し苦悩する源氏を見ると、ただの色情狂の印象がすこしだけ変わりました。まずは林望版を通読してから、また読もうかな〜

2019/10/17

優希

1000年以上読み継がれてきた大恋愛長編小説の幕開けです。幼い頃に出会った継母・藤壺の女御にいつしか想いを寄せるようになる光源氏ですが、同時に女性に目覚めてしまいます。欲望のまま、自分の思うままに数々の女性を手にしていく美しい男が生まれたと言ってもいいでしょう。自身の語りによる、計算しつくしたかのような女性関係の道が始まりました。雅な平安絵巻はここにはありません。輝く美男子が荒々しく女性を自分のものにしていくエロス。しかしその官能の世界に不思議と魅了されていくんですね。

2013/11/26

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