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武田百合子全作品 (2) 富士日記(中)

武田百合子全作品 (2) 富士日記(中)

武田百合子全作品 (2) 富士日記(中)

作家
武田百合子
出版社
中央公論新社
発売日
1994-11-07
ISBN
9784124032550
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武田百合子全作品 (2) 富士日記(中) / 感想・レビュー

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どんぐり

1年の約半分を富士北麓にある山小屋で暮らしていた武田泰淳・百合子夫妻。中巻は昭和41年10月6日~44年6月6日までの日記で、ここでの大きな出来事は愛犬ポコの死。なかでも犬の亡骸を弔う場面の描写は、リアリズムを極めた文章でとても印象深い。日記にはその死を悲しみ、愛おしむ思いが日を追ってさまざまなかたちで現れる。解説に中村稔さんが百合子さんの文章を「無垢な精神が無意識に剔出する物事の核心」「虚飾と無縁な率直な関心や感動」「確かな生活人の眼差し」がそのまま文章になっていると評している。すごく納得した。

2017/06/16

紫電改

相変わらずの文章で楽しく読めた。何気ない山荘での生活なのに生き生きと描写されており、その観察眼と表現がすばらしいです。

2023/06/01

冬薔薇

昭和41~44年の日記、この世界に入ると何かホッとして居心地が良い。マメでおおらかで、勝ち気で、素直で世話好き、日記を読むまでは百合子さんは別荘の奥様のイメージだったが、気さくですっかりファンになってしまった。それにしてもポコの死は痛ましい。その代りに庭に餌をねだりに来るリスや、道端に飛び出すウサギ、水浴びに来る小鳥たちがなぐさめてくれる。四季折々の富士の姿、刻々とうつりゆく夕焼け空、山のはやい雪景色、大岡夫妻とのお付き合い、当時を思い出す事件事故など目に見えるよう。ユーモアたっぷり人柄がよく表れている。

2016/07/07

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