心中天網島―マンガ日本の古典 (27)
心中天網島―マンガ日本の古典 (27) / 感想・レビュー
みなみ
近松の心中もののコミカライズ。モノローグによる心情の捕捉は当時の流儀にあわないようだが、わかりやすく読めて良かった。他の話はそうでもないのだが、女殺油地獄は男がどうしようもないクズで情状酌量の余地が無くてビックリした。でも、こういうダメなヤツはいつの時代にも居そうだ。
2016/05/28
初瀬川 翠
里中満智子の描く近松門左衛門作品。世話浄瑠璃『曾根崎心中』、『鑓の権三重帷子』、『心中天網島』、『女殺油地獄』の四篇が収録されています。なかでも『女殺油地獄』の不条理さや油でぬめる質感のような気配を今でも思い出します。帯のとおり「情念豊か」に描いた作品だと思います。
まめはち
近松物の傑作(『心中天網島』、『女殺油地獄』、『鑓の権三重帷子』、『曽根崎心中』)の漫画化。『女殺…』の与兵衛みたいに自分勝手が行き過ぎて他人に手をかける事件は現代でもあるが、心中は現代人には分かりにくい理屈で男女が死を選ぶ。里中版は当事者のモノローグに助けられて腑に落ちるように話が展開していくのですっきり感がある。何といっても美しい絵が悲惨感を緩和しているのが良いと思う。
2016/02/12
はる
うまくいかない話で気落ちします。
2015/07/03
towerofthesun
「だれも好んで悲劇を生きるわけではないが、その悲劇のやりきれなさから逃れるために、最期の最期、土壇場になっても人は、何らかの自己確認をしたがる。そういう一瞬に、人間の底知れないエネルギーが熱を発する。その熱が、当時の観客を引きつけ、今なお私たちを魅了してやまない近松作品の魅力だ。」…筆者あとがきが全てを伝えてくれている。
2014/10/27
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