松本清張小説セレクション 第2巻 眼の壁
松本清張小説セレクション 第2巻 眼の壁 / 感想・レビュー
matsu04
「おい、よく見たかい?ほかの女給をマダムと間違えたんじゃあるまいな?」「あたしゃ眼鏡をかけているが、毎日ふいていますからな。大丈夫、間違いっこはありませんや」…、古き良き時代の推理小説である。パクリ屋の手形詐欺というのも時代を感じさせる。そして、まるで怪人二十面相のような怪しい人物が次々と出て来るのも何とも言えず良い。
2024/06/25
myaown
松本清張小説セレクション2冊目。イチ会社員が義憤に駆られ全てを捨てても巨悪に立ち向かう。という図式は感情移入しやすく面白い、心の広い会社だなぁと思う。編集氏によればこれは講談の典型例らしい。馴染みが無いのでよくはわからないが、半沢直樹に水戸黄門みたいだな、と、感じるのに似ているだろうか?上崎絵津子を田村に隠し通すのに多少違和感を感じるが、それが男心というものなのか?殺人事件(捜査一課)ではなく知能犯(捜査二課)を扱う先駆だったとか。結局殺人だらけになるのだが、硫酸のシーンが凄絶で竜雄が平気なのが不思議だ。
2016/03/12
キオン☆
銀行が舞台かと思ったよ。ヤミ金、代議士同じ穴の狢だった。右翼の大物の登場は、ちょっと新鮮だったし、主人公にしてほしいくらいだったが、タブーの域に入るかもしれん。貧農の因習に歪んだ人間、舟坂や、バーテンダーの○○が作られていくのかと思うと、かなしい。今回の舞台は長野愛知東京。”波の塔”で青木ヶ原樹海が変な意味でメジャーになったけど、今作品にでてきた薬品は、どうだったのかしら? 松本氏、今の世の中を書いて欲しい作家であるわ。
2021/10/06
舞草
黒幕の壮絶な最期が印象に残る。解説で述べられているように娯楽映画を連想した。
2020/06/25
kushio
犯人自身が自分は朝鮮人であるというような噂をつくり身元を誤魔化そうとするところなど時代を感じる。
2017/07/12
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