私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー (村上春樹翻訳ライブラリー m- 3)
私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー (村上春樹翻訳ライブラリー m- 3) / 感想・レビュー
春ドーナツ
本書は全集版の巻末に「おまけ」として添えられていた友人たちのエッセイをまとめて一冊にしたものだそうです。***たまたま映画音楽ばかりになったのだけれど「カサブランカ」の「As Time Goes By」やチャップリンの「スマイル」、「街の灯」のテーマ曲がイヤホンから流れてくると、文章とシンクロして「しんみり度」が増したような気がする。喫茶店の禁煙席で等身大のレイさんが私が読んでいる本が気になるのか、あごをぐいっと持ち上げて覗きこもうとしている。「あなたの本ですよ」と言いたいけれどお互いに恥ずかしいだろう。
2020/04/10
snowbear
図書館本。レイモンド・カーヴァーの思い出。複数の人の目を通して、善くあろうともがいたレイの生き方(食い逃げ常習犯ではあるが)と小説に対する真摯な姿勢が見えてきた。これは手元に置きたい一冊。
2021/01/01
ぐうぐう
カーヴァーの死後、彼と親交のあった作家や編集者がその思い出を綴ったエッセイ集。意外にもここには、若くして逝った友人に対してセンチメンタルな表現は見当たらない。それは、アメリカのリアルな隣人の姿を活写したカーヴァーの業績を認識でき得ているからだろう。また、カーヴァーをまったくの善人としてではなく、アルコール依存で苦しんだ時代の、いわゆるデモーニッシュな部分も都合よく忘れるということもしない。その苦悩の時代を乗り越え、作家としても人間としてもこれから新たなる人生が始まる矢先の逝去への惜別の情で貫かれている。
2009/03/16
バナナフィッシュ。
誰も彼もが、彼のことをいいやつだという。大酒のみで、精神的に弱いところもあったけれどいいやつだったと。それにはもちろん何かしらのバイアスが含まれているんだろうけど、なんかいいよね。若くして亡くなってもこうやって時を見て想い出してくれる友達がいることって。
2020/05/28
がぁ
作家は作品で評価されるべきで、性格がどうのとか、実は酷いヤツだったとか、そういう裏話は必要ないと思っている。それでもついつい読んでしまったのだが…思い出話はそれを共有できる人とするべきでしょう。
2011/07/29
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