谷崎潤一郎全集 - 第三巻
谷崎潤一郎全集 - 第三巻 / 感想・レビュー
masabi
【概要】谷崎潤一郎全集第三巻。【感想】「お艶殺し」「お才と巳之助」「神童」などが収録されている。仕事も女遊びを自分よりもできる男に対する嫉妬と男を振り回す女が合わさった「お才と巳之助」が印象的だった。お金持ちぶりだけが取り柄だが、お才と交際を続けるうちに金品を送り、妹を差し出し、社会的地位と良心まで擲つのだが、ついぞ弄ばれて幕を下ろす。嫉妬していた男のほうが すべての面で自分より上手だったと知るおまけつきだ。他はドイツのスパイとされた男を擁護するエッセイや芸術論の小説と幅広い作品を世に出していたのだな。
2020/11/16
訪問者
「お艶殺し」、「お才と巳之介」、「金色の死」、「神童」、「法成寺物語」とこの巻も傑作多し。
2019/07/18
おやっジー
江戸の人情物⁉︎ お艶殺し と お才と巳之助 が歌舞伎の演目を見ているようで楽しめたが、当時、森鴎外に 「ああいうものを書いてはおしまいである」 と評されたそうです。それ程、面白いものがたり だと思います。
2016/09/06
MatsumotoShuji
森鴎外に「こんな低いものを書いてはいけない」とこき下ろされた「お艶殺し」は、しかしベストセラーになって、印税で家のお風呂がリフォームできたらしい。「お艶風呂」と呼ばれたとか。谷崎自身も複雑な心境だったようだけど、気にしなくていいよ。反骨をうそぶきながら金に魂を売って権力にすり寄ったロックミュージシャンだってごろごろいるんだから。
2017/06/28
nekotennperu
大正3年(1914)〜大正5年(1916) に発表した作品が収められています。 『お艶殺し』 『お才と巳之介』 『金色の死』 「金色の死」「創造」「独探」 『神童』 『刺青 外九篇』 「法成寺物語」 『懺悔話』 『華魁』他 「お艶殺し」「お才と巳之介」はキレの良い会話がスリリングな江戸もの。何人かで朗読劇スタイルをとるにはぴったりだと思います。 著者ご自身は、あまり気に入っていない部類の創作、とのことでしたが、読み手は充分楽しめるのではないでしょうか。 「独探」は、風変わりで、奇妙なリアリティと悲しみに
2021/09/15
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